2025年3月12日 公開
東証プライム上場のゴルフ関連事業F社~今期も大幅赤字へ|特別情報
昨年11月、債務超過に転落して継続企業の前提(GC)に関する重要事象等を記載した。第4四半期(10-12月)で黒字化したものの期末では資産超過に3百万円とどかず、より深刻な財務諸表上のGC疑義を注記した。平成24年5月に米国のX社と業務提携し、X社のノウハウを取り入れてゴルフレッスンサービスを開始。28年4月にX社と資本業務提携をすると30年7月に連結子会社にし、令和4年11月に122億円を投じて出資比率をそれまでの37%から97%に引き上げた(現在は98%)。また、同年8月には米国の同業者から一般ゴルファー向けのゴルフ弾道測定器事業を87億円で買収し、X社が同事業を担っている。これらの買収資金は156億円のシンジケートローンを組成し、あわせて投資ファンドが組成したSPCを割当先とする60億円の優先株式で賄った。ここで注目しておきたいのがX社取得によるのれん22億62百万円、ゴルフ弾道測定器事業取得によるのれん44億10百万円が計上されたことで、4年12月期ののれん勘定は84億79百万円にふくれあがった。4年12月期ののれん等の償却額は10億72百万円で済んだものの、5年12月期は17億89百万円へと増加し、営業損益は3億80百万円の黒字にとどまった。ちなみに国内事業の営業利益17億62百万円に対し、海外事業は13億82百万円の営業赤字となった。また、当期純利益が12億50百万円を下回ったことでシ・ローン及び優先株式投資契約に付された財務制限条項に抵触することとなったが、6年6月に期限の利益喪失請求権を行使しないことで同意した。なお、シ・ローンの返済期日は9年7月31日となっており、優先株式については普通株式への転換請求権がないかわりに、金銭対価取得請求権が付けられている。6年12月期ののれん等の償却額は18億14百万円とほぼ横ばいとなり、国内事業の営業損益も17億24百万円の黒字となったが、海外事業の営業損益は25億48百万円の赤字とさらに拡大し、国内外合わせた営業損益は8億23百万円の赤字となった。期首予想が8億円の黒字であったことを考えると、海外事業が大きく足を引っ張った結果となった。また、当期純損失の金額が8億円を超えたことで同期も財務制限条項に抵触し、期限の利益喪失請求権の行使を猶予するよう、現在交渉中である。7年12月期の予想は、営業損益については4億25百万円の赤字となっている。このうち・・・
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