2025年3月5日 公開
東証グロース上場のE社~債務超過のなか主力行が増資引受へ|特別情報
2月14日に令和6年12月期の決算を発表したが、多額のリストラ費用を計上した結果、99億円の最終赤字となり、47億円の債務超過となった。継続企業の前提に関する疑義注記は第2四半期から記載されたままだ。音楽配信サービスからスタートし、平成19年からソフトウェア開発事業を開始したが、国内の人件費高騰やエンジニア不足のため、23年に海外へ進出した。その後、加速度的に海外展開を進め、令和4年12月期末には海外子会社27社を擁し、20の国と地域に展開するようになる。売上高も過去最高となる142億円を計上し、5年3月に東証グロースへ上場した。しかし、すでにピークアウトを迎えており、肥大化した海外子会社のリストラ策が練られていた。当社では4年12月期までを高成長期(年率40%成長)と呼び、5年12月期からの2期を成長基盤構築期と位置付けていたが、6年12月期に入ると本格的なリストラが始まった。リストラ策の第1弾は6年12月期第1四半期決算と同じ5月15日に発表されたが、第3四半期までに「EMEA」と「AMER」の抜本的な構造改革を実施し、第4四半期に全ての拠点で黒字化するというもの。当社では、日本及びアジア・パシフィック地域をAPAC、ヨーロッパ・中東及びアフリカ地域をEMEA、北米・中米及び南米をAMERと呼んでいる。第2弾は5月31日で、ドイツと上海の現地法人を解散し、あわせて非稼働人員を中心にEMEAで49%、AMERで45%の人員削減を行ったと発表した。8月14日に発表された第3弾では、第2四半期に人員削減による退職金などの一時費用として7億70百万円を計上し、AMERの体制縮小でのれん等の減損損失として41億円を計上した。9月19日発表の第4弾ではEMEAのさらなる構造改革が必要として欧州の子会社と孫会社3社、中東の孫会社を清算し、中東の子会社株式の売却を発表した。第5弾は9月30日に行われ、EMEAの最後の拠点となるスペインからの撤退となった。第2四半期を終えて25億円の債務超過となり、取引金融機関にリスケを要請した。また、今年に入ると1月15日に割当先をメインバンクのX銀行とする第三者割当増資を行い、優先株式の発行で33億円を調達すると発表した。払込期日は・・・
続きを読むには特別情報の会員申込みが必要です。
詳細は小社までお問合せください
特別情報とは
「倒産してからでは遅い」という声をよく聞きます。
たしかに与信管理や審査では事前の兆候について社内外からの幅広い情報収集は不可欠ですが、現実にはなかなか容易ではありません。

実は東京経済の「特別情報」は、独自の取材ルートと確かな実績で長年にわたり金融機関・総合商社をはじめとする審査のプロたちから一目置かれています。
審査マンの心強いパートナーとして、「特別情報」のご活用をお勧めします。
詳しくはお気軽にお問合せください。
無料お知らせメール登録
債権・動産譲渡登記リスト、問合せ集中ランキング、特別情報が更新されたことをお知らせするメールサービスを実施しております。 メールサービスの登録は無料です。お気軽にお申込み下さい。