2024年10月29日 公開
加藤運輸(有)|千葉県松戸市
【業種】 運送
【倒産形態】 民事再生手続開始決定
【負債総額】 68億円
特別情報東京版(R5.11.7、R6.6.5、R6.7.8)、特別情報北関東版(R5.3.14)、東京本部月例情報会(R5.2.16、R5.7.19、R6.1.23、R6.3.19)で既報。3月22日、債権者である元子会社より千葉地裁へ民事再生手続開始を申し立てられ、10月25日、同地裁より民事再生手続開始決定を受けた。負債総額は債権者約530名に対し約68億円。監督委員は山村清治弁護士(みどり総合法律事務所、千葉市中央区中央3-10-4 マーキュリー千葉9階、TEL 043-224-2233)が選任された。再生債務者代理人は樋口收弁護士(敬和綜合法律事務所、東京都港区赤坂2-11-7 ATT EAST-11階、TEL 03-3560-5051)。
昭和50年4月創業、昭和54年7月に法人改組した貨物自動車運送業者。食品関連、日用品の運送事業を主体として、リサイクル事業、燃料卸、倉庫業など事業の多角化を進め業容を拡大させた。令和3年7月には埼玉県内に物流センターを開設し、令和6年3月期の売上高は過去最高となる84億円を計上していた。
しかし、倉庫や物流センター、リサイクル工場への積極的な設備投資に伴い借入金が年商を超えるまでに膨らんだ。また、物流センターの稼働率が上がらず、グループ企業への貸付金などにより収益は圧迫され、億単位の赤字を散発していた。このため、金融機関から借り入れ返済のリスケを受けたとともに、採算が厳しい青果部門の運送事業や関連不動産を譲渡し、事業の撤退を検討していたが、事業の譲受人と係争が発生していた。
こうした中、係争相手へのけん制の目的で、今年3月22日に元子会社が当社に対し民事再生手続開始を申し立てたが、係争は終結しなかった。その後、私的整理による再生を目指していたが、取引先への信用不安が広まり事業環境が悪化。金融機関からの借入債務の期限の利益が喪失し、更に主要取引先数社から保証金の積み立てを求められたこともあり、急速に資金繰りが悪化していた。
ちなみに、当社の事業は継続中で、10月21日付で創業者である加藤善信氏が取締役を退任し、新たに加藤健一氏が代表取締役に就任し再建を図る。今後は「第二会社方式」で事業譲渡を行い、スポンサー支援により事業を継続していく方針。スポンサー探索のプロセスの透明化、公正化の観点から(株)アクイラパートナーズ(法人番号:5011101086278、東京都千代田区)をファイナンシャル・アドバイザーに選定する予定であり、今後のスポンサー募集についての問い合わせ窓口も同社を予定している。
なお、子会社を含むグループ会社は民事再生手続開始決定を受けておらず、10月28日現在営業を継続している。
法人番号 | 4040002045036 |
業種 | 運送 |
倒産形態 | 民事再生手続開始決定 |
所在地 | 千葉県松戸市小金きよしケ丘3-12-13 |
設立 | 昭和54年7月 |
創業 | 昭和50年4月 |
従業員 | 345名 |
代表者 | 加藤健一 |
資本金 | 600万円 |
年商 | 84億円(6/3) |
負債総額 | 68億円 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2024年07月08日
2023年11月07日
2023年03月14日
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