2024年5月29日 公開
東証スタンダード上場の紳士服大手G社~不振子会社の完全子会社化でGC重要事象等|特別情報
7月1日付で連結子会社のX社を完全子会社にするが、従来の財務的支援からさらに踏み込んで借入金を含む資金を両社一体で管理することになるため、財務上のリスクが高まるとして令和6年9月期第2四半期の決算短信で継続企業の前提に関する重要事象等を記載した。X社は平成6年3月に設立され、10~20代女性の圧倒的支持を得て業績を伸ばしてきた。しかし、10年代半ば以降は勢いが一挙に衰え、4期連続赤字となった責任を取って創業社長のY氏が31年4月に辞任。同時にY氏が議決権ベースで62.6%を保有していたX社株式のうち、半分をY氏と親交のあった当社代表のZ氏に34億円で売却し、Z氏は買い取ったX社株を当社に売却して同年9月に当社の持分法関連会社となった。令和2年に入ってコロナ禍になると、同年7月にX社は当社の連結子会社であったU社を吸収合併し、株式交換により当社のX社に対する議決権比率は59.1%に高まって連結子会社となった。しかし、その後もX社の業績は改善せず、5年2月期第3四半期の決算短信では借入金の返済リスケをしていたことが判明。当社は5年5月にX社が発行する18億円の優先株式を引き受け、さらに同年11月に3億円、12月に6億円を貸し付けたが資金繰りは改善せず、X社は12月の賞与支給を見送った。この間、当社は東証プライムの上場維持を断念し、10月に東証スタンダードへ移行したが、原因がX社であることは論を俟たない。X社は昨年10月末にシンジケートローン91億円の返済期限を迎えたが今年1月に延長している。また、2年7月にU社を合併した際、X社が実質的な存続会社ではないとして、今年2月29日を期限とする上場廃止の猶予期間に入っていた。そこで当社は2月20日付でX社を完全子会社化すると発表し、X社のシンジケートローンも3月29日から4月30日までの間は当社が債務保証をすることで乗り切り、5月13日に73億円のリファイナンスをしている。当社も114億円の借入金に対して財務制限条項に抵触していたが、5月13日に90億円のシンジケートローンを組成して既存借入金の返済に充てている。X社は5期連続営業・経常赤字、8期連続最終赤字で、4年2月期第3四半期から・・・
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