2024年3月6日 公開
東証グロース上場の検査機器メーカーP社~GC疑義注記|特別情報
令和6年6月期中間決算で通期の業績予想を大幅に下方修正すると同時に、企業存続リスクがより高い「継続企業の前提に関する疑義注記」(GC疑義注記)が行われた。臨床検査機器の保守メンテナンスを目的に設立され、自社製品として分注装置、希釈装置、洗浄装置等を販売するようになると独自のDNA抽出技術を持つバイオベンチャー企業として注目を集め、平成13年2月にナスダック・ジャパンに上場した。22年10月に東証と大証の合併に際してジャスダックに移行したが、赤字経営が続いていたため、27年9月に上場審査基準の緩い東証マザーズへ市場変更した経緯がある。伸び悩んでいた業績も新型コロナウイルス感染症のまん延で当社が開発したPCR検査システムへの要望が高まり、売上高は令和2年6月期の50億円から3年6月期には92億円へと大きく伸長した。同年8月に策定した中期経営計画では秋田県大館市に大館試薬センター第2工場の建設も進んでいたこともあり、5年6月期の売上目標100億円、営業利益目標10億円を掲げ、控えめながらも着実に業績を伸ばせると自信のほどを見せていた。ところが、4年6月期に入ると海外向けを中心に陰りが見え始め、業績は黒字を確保するのが精一杯となった。5年6月期になると国内需要も落ち込みに拍車がかかり、大幅な減収により営業損益段階から11億円の赤字となり、GC重要事象等が付けられた。6年6月期第2四半期を終えて売上高は前年同期比35.6%減の20億12百万円、最終赤字は7億27百万円(前年同期は4億66百万円の赤字)となり、同時に発表された通期予想は売上高を60億円から43億円へ、経常損益は5百万円の黒字から11億30百万円の赤字へ、最終損益は5百万円の黒字から10億10百万円の赤字へとそれぞれ下方修正した。また、シンジケート・ローンの財務制限条項に抵触することがほぼ確実となったため、GC疑義が注記された。新型コロナの位置付けが2類相当から5類相当に移行された影響も大きいが、PCR検査から抗原検査への需要の変化も原因の一つに挙げている。需要の減少でこれまで伸ばしてきた売上高が吹き飛んでしまったが、今年2月には・・・
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