2023年9月6日 公開
東証グロース上場の理化学機器メーカーK社~赤字転落でGC重要事象等|特別情報
新型コロナウイルス感染症のまん延で業績を大きく伸ばしてきたが、沈静化に伴って業績は下降線をたどり、先行投資と受注減少から令和5年6月期決算は3期ぶりに赤字に転落、継続企業の前提に関する重要事象等が記載された。もともと臨床検査機器の保守メンテナンスを目的に設立されたが、平成に入ると分注装置、希釈装置、洗浄装置等の理化学機器の製造事業へ進出し、7年にDNA自動抽出装置の開発に成功すると遺伝子解析装置や免疫測定装置などを米国をはじめとする海外へ輸出するようになった。しかし、業績の方は慢性的な赤字が続き、27年にはジャスダックから上場審査基準の緩い東証マザーズへ市場変更している。令和2年から新型コロナが世界的にまん延し、当社が開発した全自動PCR検査システムに注目が集まるようになると一挙に事業拡大へとかじを切った。同年8月に策定した中期事業計画では最終年度にあたる5年6月期の売上目標を100億円、営業利益を10億円とした。また、秋田県にある試薬センター第2工場の建設にも着手しており、4年6月期までの2年間で投資総額は40億円にも及んだ。こうして迎えた3年6月期は売上計画77億円に対し実績は92億円となり、営業利益も5億円の計画に対して8億95百万円を計上した。しかし、4年6月期に入るとすでに受注に陰りが見え始め、売上88億円、営業利益7億50百万円の計画に対してそれぞれ74億円、1億52百万円にとどまった。未達の理由を3年6月期に業績を大きく伸ばした反動減と総括したが、さすがに海外からの需要拡大は見込めないとして4年9月に発表した中期事業計画では5年6月期の目標数値を売上74億円、営業利益1億円に下方修正し、当初の計画である売上100億円、営業利益10億円は7年6月期に先延ばしした。しかし、5年6月期は海外どころか国内需要も縮小し、次第にPCR検査装置に付随する専用の試薬や消耗品なども販売数量が落ちていった。結局、売上は52億円にとどまり、利益率の高い試薬等も売れなかったため、営業損益は一転して11億円の赤字に転落した。日本国内では・・・
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