2023年7月12日 公開
東証スタンダード上場の映画館運営D社~監査法人の指摘で急遽GC重要事象を記載|特別情報
単体決算が4期連続で営業赤字になったのを受け、監査法人の指摘により令和5年3月期の有価証券報告書に継続企業の前提に関する重要事象等が記載された。映画興行の草分け的な存在で、昭和56年には自動車教習所、バブル期にはスポーツジムなど多角化経営を進め、住宅販売を手掛けていた時期もあった。しかし、バブル崩壊とともにいくつかの映画館が閉館に追い込まれ、平成17年から始めたヨガ教室もわずか2年で閉鎖するなど、迷走を続けてきた。現在残っているのは映画事業では東京・新宿の2館、自動車教習事業では埼玉県寄居町にある教習所のみとなった。また、不動産業も事業の柱となっている。好調時に60億円を超えていた売上高はリーマン・ショックを境に20億円を割り込み、特に映画事業は慢性的な赤字に陥っている。その赤字を補っているのが不動産事業であるが、新型コロナウイルスの影響からテナント収入が減少するなど、総じて低調な推移となっている。また、常勤の取締役が社長と妻の常務だけという同族色の強い企業体質となっている中、令和4年3月期に経理責任者が退職したため、決算作業に多数の誤りが生じ、決算処理や監査対応が大幅に遅延したとして、財務報告に係る内部統制の不備の指摘を受けている(4年7月に経理責任者を採用して5年3月期には解消されている)。5月11日にリリースされた決算短信では、当社単体の営業赤字が49百万円となったものの雇用調整助成金や繰延税金資産の計上などにより40百万円の最終黒字となり、GC重要事象等の記載はされなかった。ところが、有価証券報告書を提出する段階になって監査法人より「GC重要事象等を記載するように」との指摘を受け、急遽記載することとなった。祖業の映画事業が振るわず・・・
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