2023年7月5日 公開
東証グロース上場のウェブサービスC社~従業員による不正行為と杜撰な会計処理|特別情報
5月に従業員による不正行為が発覚して特別調査委員会が設置されたが、調査の過程で不適切な会計処理が行われていたことが発覚し、監査法人の要請で独立調査委員会を立ち上げて追加調査を行ってきた。6月27日にその調査報告書が公表された。報告書は、当社が令和3年12月に東証マザーズ(現東証グロース)へ上場する直前に、平成27年12月期から令和1年12月期の決算修正を行っていたことを指摘し、上場してからも3年12月期、4年12月期と相次いで決算修正したことに触れている。従業員による不正行為が行われた広告関連事業では、クライアントから依頼を受けて選定したインフルエンサーに対して反社チェックは行われるものの、その人物が当社担当者の親族であるかなどのチェックがまったくないため、容易にダミー会社を作って当社に架空発注させることができ、外注費などの名目で支払わせていた。不正を行っていた従業員は3名で、不正に引き出された金額は1年11月から5年4月までで75百万円におよんだ。一方、発覚した不適切な会計は当社の会計システムの問題によるもので、報告書は会計システムを「どんぶり勘定」と断じている。アプリ関連事業の基幹システムは業務用アプリがベースで、後から経理や業務のためのサブシステムを付け足したもの。そのため、複雑な処理ができず、システム上の数値と現実の数値が乖離するケースが出てくる。実際、売上数値や原価数値などで乖離が発生し、昨年から始めた決済手数料の分析も実際に振り込まれてきた手数料と会計システム上の手数料の間に多額の相違が生じていた。システム上の問題ではないが、4年12月期から導入した従業員へのインセンティブ制度についても、支払額に対する計算方法も作らずにスタートしたため、本来なら前もって引当てておかなければならない賞与引当金が計上されず、計算式ができ上がったのは今年3月になってからである。5月12日に予定していた5年12月期第1四半期の決算発表は・・・
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