2023年6月7日 公開
東証グロース上場のCG制作会社S社~3度目の不正会計発覚で上場廃止の危機か|特別情報
3度目の不正会計が発覚し、上場廃止の危機に直面している。最初の不正会計は中国・上海に設立したグループ会社で行われたもので、従業員の給与の一部に源泉徴収漏れがあり、また発票(税収を管理するための証明書)が発行されず、結果的に簿外取引が行われていた。不正会計は平成24年10月に設立された当初から行われており、中国では慣例的に行われていた面があるとはいえ、法令違反であることは疑いようがない。2つ目は連結子会社のX社(令和2年7月に当社が吸収合併)で架空売上や前倒し計上、原価の先送りや他案件への付け替えなどを行っていたもので、調査の過程で当社でも同様の不正会計が行われていたことが発覚した。関わった従業員は9名に及んでおり、日常的に行われていたことがうかがえる。今回発覚した不正会計は当社従業員のY氏とZ氏の案件。Y氏の不正は平成29年6月から令和4年12月まで行われ、水増し・架空計上や原価の付け替えのほか、多額のキックバックが行われていたことが判明しており、その額は26百万円に及んでいる。キックバックは取引先に立替払いなどと偽って受け取ったもので、私腹を肥やすためと当のY氏も事実関係を認めている。決算に与える影響は売上高の累計額で▲1億46百万円、売上原価の累計額で▲65百万円となっている。一方、Z氏案件については決算に与える影響額をそれぞれ▲5億55百万円、▲39億92百万円と公表したのみで、その内容は一切非開示となっており、非開示にせざるを得なかった理由も述べられていない。問題はこれだけにとどまらない。2回目の不正会計の調査報告書が発表されたのは2年12月のことであり、Y氏案件、Z氏案件ともそれ以前から行われ、発表後も行われていたことである。いずれの案件も2回目の不正会計の調査から漏れていたことになるし、その後策定された再発防止策もまったく役に立たなかったことになる。5月11日に発表された今回の調査報告書では、70歳を超えた社長の後継者問題が進んでいないこと、前回の調査で指摘されていた最高財務責任者が未だ不在であること、役員の経営責任に対する監督不足、従業員の意識向上に向けた対策不足など、経営トップから末端の従業員まで、改革に向けた「本気度」が不足していると断罪している。4年12月期の有価証券報告書の提出期限は・・・
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