2023年5月31日 公開
札証上場の電気工事業者R社~3期連続赤字で債務超過転落|特別情報
不正会計問題が尾を引くなか、令和5年3月期も大幅な赤字となり、債務超過に転落した。不正会計の原因となったのはX常務(当時)が主導した岐阜県高山市と岩手県奥州市の太陽光発電所建設の件で、特に高山案件は難工事となり、受注金額82億円を超える費用がかかったため、赤字額を縮小させようと売上の過大計上や売上原価の過少計上が行われた。X常務は不正会計が発覚する直前の3年6月に退任しているが、直接の退任理由は小型風力発電事業で3年3月期に22億円の赤字を出したためである。当社はY社の持分法適用関連会社で、歴代社長をY社出身者が務めてきたが、生え抜きの役員であったX常務には社長ですら何も言えない空気感があったという。不正発覚後の4年4月にY社出身の社長が引責辞任し、後任にY社からいったん子会社に出向して取締役を務めていた人物が後任の社長に就任した。これまではY社の現役幹部が就任することが多かったが、今回は出向先からの就任となった。同年9月に金融庁から6百万円の課徴金納付命令が出され、11月になると当社は元常務のX氏に対し、4億24百万円の損害賠償請求訴訟を起こした。そして今年2月に5年3月期の最終赤字が14億円になると発表した。ところが3月になると高山案件の施主から10億90百万円もの遅延違約金を請求され、結局、28億円の最終赤字となった。多額の赤字を計上したことで26億円の債務超過となり、継続企業の前提に関する疑義注記は付けられたままとなった。一方、借入金は51億円で、前期末から14億円増加している。4年1月に本社不動産などを担保に差し入れていたが・・・
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