2023年3月7日 公開
アッシュ・ぺー・フランス(株)|東京都港区
【業種】 輸入雑貨・衣類販売
【倒産形態】 会社更生手続開始申立
【負債総額】 29億円内外
特別情報東京版(H29.4.24、H29.10.3、R3.7.21)で既報。2月24日、東京地裁へ会社更生手続開始を申し立て、同日保全管理命令を受けた。保全管理人は蓑毛 良和弁護士(三宅・今井・池田法律事務所、東京都新宿区新宿1-8-5 新宿御苑室町ビル5階、TEL 03-3356-5251)が選任された。負債総額は29億円内外。
昭和59年3月創業、昭和60年8月に設立のレディース用服飾雑貨・衣類販売業者。フランスやイタリアなどの欧州を中心としたインポート・アクセサリーおよび衣類などを取り扱い、卸売りと小売りを手掛けていた。小売店舗は「H.P.FRANCE」(アッシュ・ペー・フランス)など多数の店舗名で展開し、最盛期には90店舗を超える直営のセレクトショップを運営していた。30、40代女性をターゲットとして、ピーク時となる平成27年2月期の売上高は110億6,300万円内外を計上していた。
しかし、その後は急激な店舗出店や事業の多角化に加えて、不正会計が発覚し対外的な信用が低下。平成29年に入ると仕入れ業者へ1カ月の支払いサイト延長を要請するなど資金繰りの変調が表面化した。このため、同年に事業再生ADRを実施し、金融機関から債権放棄を受けるとともに、平成30年以降は再生ファンドのブレイン・アンド・キャピタル・インベストメンツ(株)(法人番号:6010401112602、東京都港区)の傘下で再建を図った。
令和3年以降、新経営陣により事業の立て直しを図ったが、コロナ禍や円安による仕入れコストの上昇などで業況は更に悪化し、令和4年2月期の売上高は49億6,400万円内外を計上した。不採算店舗の削減などで店舗数も50店舗まで減少した。一方で、事業再生ADRによる条件変更後の金融債務の一括返済期限が今年2月末に迫っており、更に、新型コロナによる特例猶予を受けていた社会保険料6億円内外の支払いも迫るなど、苦しい資金繰りが続いていた。このような中、裁判所の監督下で事業再建を図ることが最善策と判断し、今回の措置となった。
当社運営の全店舗も営業中で、商取引債権は全額弁済済。保全管理命令後は、保全管理人において三井住友銀行との間で融資枠を10億円とするコミットメントラインを締結している。事業継続の運転資金は確保しているそうで、今後はスポンサーを選定し更生を図る。
業種 | 輸入雑貨・衣類販売 |
倒産形態 | 会社更生手続開始申立 |
所在地 | 東京都港区南青山5-7-17 小原流会館6階 |
設立 | 昭和60年8月 |
創業 | 昭和59年3月 |
従業員 | 299名 |
代表者 | 原 敏文、他1名 |
資本金 | 5,000万円 |
年商 | 49億6,400万円内外(4/2) |
負債総額 | 29億円内外 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2017年4月24日
2021年7月21日
特別情報とは
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