2022年10月19日 公開
東証スタンダードの衣料品販売H社~債務超過拡大、再建難航|特別情報
令和5年2月期中間決算の赤字で債務超過額は15億75百万円に拡大した。前期末に債務超過へ転落したことから、東証は今年5月、当社を上場廃止に係る猶予期間入り銘柄に指定。これを受けて当社は令和6年2月29日までに債務超過を解消するよう努めるとしているが、再建は難航し有効な政策を打ち出せていない。当社株式の3割強を保有する筆頭株主のX社の支援スタンスに注目が集まっている。自社ブランドでスーツやカジュアルウエアを販売する紳士・婦人服製造小売業者。平成30年2月期には全国311店舗を展開し、売上高261億円を計上。自己資本比率57.4%と健全な財務体質を維持していた。しかし、平成31年2月期以降は4期連続赤字。現在では当時と比べて売上高も店舗数も半減している。金融機関の債権譲渡登記など保全姿勢の高まりが表面化するなか、前期には8億76百万円の債務超過に転落。今年6月に期限を迎えたシンジケート・ローンの財務制限条項に抵触した。これについて金融機関からは判定免除の承諾を得たとしている。また、いまのところ、取引金融機関の当座貸越契約締結などで十分な運転資金を確保できるとして継続企業の前提に関する重要事象等の記載に留まるが、依然として予断のならない状況だ。債務超過解消策として商品ポートフォリオの最適化、販売チャネル改革(Eコマースの拡大ほか)、コスト圧縮、不採算店舗の退店や資本増強に向けた資本政策の検討を進めている。今期に入ってからは行動制限の緩和に伴い中間期売上高は57億16百万円(前年同期比4.7%増)と若干回復した。ただし、想定を上回る急激な円安や原材料費などの値上げによって営業損失7億24百万円(同12億79百万円の損失)、純損失7億13百万円(同12億94百万円の損失)と赤字が継続。40億48百万円の有利子負債をかかえるなか、冒頭のとおり債務超過額は拡大するなど、財務基盤はさらに棄損している。今期業績予想は・・・
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