2022年10月4日 公開
潜匠建設(株)(せんしょうけんせつ)|宮城県名取市
【業種】 土木工事
【倒産形態】 破産手続開始申立
【負債総額】 10億円内外
特別情報仙台版、US情報仙台版、仙台支店情報会などで度々既報。9月30日に事業を停止し仙台地裁に破産手続開始を申し立てた。申立代理人は及川 雄介弁護士(仙台のぞみ法律事務所、仙台市青葉区一番町2-10-26 旭コーポラス一番町A404、TEL 022-225-8198)。負債総額は精査中ながら10億円内外が見込まれている。
平成16年4月に「潜匠」の屋号で創業し、平成23年2月に宮城県名取市閖上地区に本社を移転。しかし、わずか1カ月後に発生した東日本大震災によって事務所は流失。平成23年11月には事務所を再建し、水中作業を得意としていたことで、多数の災害復旧工事が舞い込み業容は拡大した。平成25年6月から現在地へ移転し、避難用のビルとしての活用もできる本社を平成27年7月より建設、これが平成28年5月に竣工している。平成29年8月には現代表が社長に就任した。
水中土木工事では県内トップクラスで、現代表で3代目を数える。近年では特殊技術の水中土木工事が1割程度にとどまり、土木工事が大半を占めていた。平成30年9月期の売り上げは12億円を超えていたが、平成30年末ごろに部長や経理担当者なども絡む内紛が発生し、最終的には社長側の勝利となるも、不透明な経費計上や工事関係の損金計上により、過年度修正損2億円超の計上を余儀なくされた。これに伴い令和元年9月期は9億円弱までの減収と2億円内外の債務超過に転落。令和2年9月期は水中工事を含む災害復旧工事の優先的受注が奏功して黒字に転じ、同業者間では再生したとの評価も流れていた。
しかし、令和3年に宮城県が受注した工事案件で、同社の管理体制不備による追加工事代金7,000万円内外の未請求が判明。それに赤字額を加えると、令和3年9月期決算は1億円超の赤字決算となった。立て直しを図るべく、同社は宮城県に対して交渉を進めたが難航し、この間に従業員の退職も相次ぎ、稼働は限定的となっていた。この状況の中、資金繰りが限界に達し、先行き改善の見通しも立たないとして事業を停止し、今回の事態となった。
業種 | 土木工事 |
倒産形態 | 破産手続開始申立 |
所在地 | 宮城県名取市美田園3-16-1 |
設立 | 平成20年3月 |
創業 | 平成16年4月 |
従業員 | 61名 |
代表者 | 吉田 浩文 |
資本金 | 2,000万円 |
年商 | 4億1,845万円(3/9) |
負債総額 | 10億円内外 |