2022年8月3日 公開
東証グロースの決済代行サービスQ社~同業者との経営統合で大幅赤字へ|特別情報
同業のX社との経営統合で生き残りをかけるが、X社の株価下落の影響などから令和4年8月期は多額の赤字を計上することになる。X社については共同事業を手がけていた筆頭株主のY社から無謀ともいえる株主提案を突き付けられ、昨年9月28日の定時株主総会開催当日に延期を発表するという異例の事態を招いた経緯がある。実は、この1か月前の8月25日に当社がY社からX社株式の33.3%(議決権ベース)を23億33百万円で取得していたが、総会の基準日が6月30日だったため、Y社は45.4%を保有する筆頭株主として議決権を行使できる立場にあった。当社は当時のX社株価に10%ほどのプレミアを乗せた1株4,050円で購入しているが、ほどなくして株価は2,000円を割り込むようになり、4年8月期第1四半期に12億55百万円もの関係会社株式評価損を計上し、一挙に過小資本に陥った。その後株式交換による経営統合が発表され、X社は5月30日をもって上場を廃止するとともに、6月1日付で当社の完全子会社となった。今後は12月を目途に当社は持株会社(商号も変更予定)となり、新たに当社と同じ商号の事業会社を設立する。従来のキャッシュレス事業はX社が引継ぎ、その他の事業は新会社が承継する。キャッシュレス市場が急拡大するなか、中でもプリペイドカードの成長が著しい。各社キャンペーンを大々的に打ち、加盟店からの決済手数料をゼロにすることで市場シェアの獲得に凌ぎを削っている。プリペイドカードには共通電子マネーとハウス電子マネーがある。共通電子マネーは加盟店であればどこでも使えるメリットがあり、JR東日本の「Suica」などが挙げられる。一方、ハウス電子マネーは自社ブランドや同一企業内の店舗のみで使用可能というもので、「スターバックスカード」などが代表例だ。メリットとしては顧客の囲い込みやプリペイド(前払い)方式によるキャッシュフローの改善が期待される。当社のホームページを見ると加盟店は地方の店舗等が多いのも特徴だ。4年8月期の連結業績予想は、X社の売上高が加わるのが6月1日分からのため、売上高は前期比20%減の・・・
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