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2022年7月6日 公開

東証スタンダードの食品スーパーM社~会社ぐるみの不適切会計|特別情報

札幌国税局の税務調査をきっかけに今年4月、長年にわたる利益操作が行われていたことが発覚した。第三者委員会による調査を経て6月30日付で延長していた四半期報告書をようやく提出し、およそ5年に及ぶ過年度決算修正を行った。帯広、旭川、札幌を中心に道内22店舗を展開する食品スーパーで、当時は道内初のセルフサービス方式のスーパーとして大きな話題となった。平成23年に中興の祖といわれたX氏が社長に就任すると、25年に大手スーパーY社と資本・業務提携を締結し、Y社が30.0%を保有する筆頭株主になった。その後、出店ペースを加速して売上高を大きく伸ばしたが、令和2年9月期の決算短信発表と同時に社長の辞任が伝えられた。理由は「一身上の都合」としているが、不適切な会計処理の発覚を恐れてのことだとみられる。不適切会計は平成26年9月期決算から始まった。実態は利益の先送りで、翌期に発生する商品の仕入れを前倒しで注文し、在庫計上せずに売上原価として計上するのである。費用計上を済ませた在庫は翌期になるとゼロ円となる。この在庫を販売すると原価はゼロ円なので売上分がまるまる利益になるが、すでに前の期で費用計上しているため、トータルでは同じ利益になる。利益操作する目的で在庫を仕入れることを当社では「買込み」と呼んでいるが、当初からX氏が具体的に買込み金額を挙げて各バイヤーに指示していた。しかし、やがてX氏が具体的な指示をしなくても各バイヤーが自分の判断でできるようになり、「買込み」が社内に浸透していった。X氏が利益操作する動機としては、Y社からの経営干渉を排除したいため、常に業績を上げ続ける必要があった。つまり、少しでも余分な利益が見込めると、翌期にまわすため考案された方法だ。しかし、30年9月期に入って利益面では下降線をたどるようになり、利益操作することも限界に達していたのだろう。X氏の辞任後も・・・

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