2022年4月27日 公開
東証スタンダードのカジュアルウエア製造小売D社~M&A戦略に疑問の声|特別情報
令和4年2月期当期純利益は1億57百万円と9期ぶりに黒字に転じた。ただし、カジュアルウエア製造小売のX社を令和3年3月1日に子会社化したことに伴う負ののれん発生益3億97百万円を特別利益に計上したことによるもので依然として営業、経常損失が継続している。この買収によって前期から連結決算に移行し売上自体は増加したが本業部分での赤字が継続し問い合わせは増加。取引先の警戒感は高まっている。若年層向けカジュアルウエア製造小売業者で冒頭の通り、昨年3月には高価格帯ブランドを強みとするX社を子会社化し今年2月期末時点で合計66店舗での展開となっている。前期の業績については、昨年4月に連結売上高50億10百万円、当期純利益1億40百万円の予想を立てスタートした。当初は2億10百万円の営業損失を見込んでいたが、不採算店舗撤退などの合理化が奏功し損失額は1億83百万円に改善した。しかし、コロナ禍の影響によって別表の通り、売上面では当初の予想を大きく割り込み、営業赤字も続いた。先月1日にはGMSを中心に展開するエスニックファッション・雑貨製造小売のY社を資本業務提携先のZ社から買収している。これはY社を直接の傘下とすることで商品や販売力の強化並びに相互のノウハウ吸収、管理機能共同化による合理化などを狙ったものとしている。しかし、Z社と言えば有価証券報告書には継続企業の前提に関する重要事象等の記載が継続している。一方のY社単体での令和3年10月期売上高は28億75百万円(前の期比29.9%減)、当期純損失3億75百万円(同1億39百万円の損失)と赤字幅は拡大し4億88百万円の債務超過となっており、立て直しは容易でないことがうかがえる。業界関係者からは「このM&AはZ社が重荷となったY社を当社に押し付けただけ。成長は見込みにくく、グループ全体での黒字化のハードルは高い」と分析する。今期業績計画は売上高・・・
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