2022年4月6日 公開
東証スタンダードの飲食店経営A社~親会社からの借入金を株式化|特別情報
【業種】
【倒産形態】
【負債総額】
新型コロナウイルスの影響から2期連続赤字が見込まれる中、自力では債務超過を解消することができず、親会社のX社から8億円に上る債務の株式化(DES)で解消する運びとなった。音楽イベントの企画を目的に設立され、平成18年にダイニングカフェをオープンすると店舗数を増やして業容を拡大し、27年3月にジャスダックへ上場した。しかし、上場前の急速な多店舗展開が災いし、29年3月期に過去最高の売上を計上しながら1億71百万円の最終赤字となり、同年12月にX社の傘下に入って再建が図られることとなった。その後、黒字化するものの令和3年2月期(決算月を平成31年から2月に変更)は新型コロナの影響で売上は半減して3期ぶりに赤字転落し、その直前の1月29日には取引銀行が債権譲渡登記を設定した。2年2月時点で借入金の担保は何も提供していなかったが、3年2月時点では現預金や売掛金、差入保証金など約13億円に及んだ。一方、借入金は前期末から8億円増の11億円となったが、増加分はすべてX社からの分であることから銀行による債権譲渡登記は保全目的だったとみられる。その背景にはX社のY社長が・・・