2022年3月11日 公開
イセ食品(株)、他1社|東京都千代田区
【業種】 鶏卵卸
【倒産形態】 会社更生手続開始申立
【負債総額】 453億円内外(2社合計)
特別情報東京版(R2.7.21、R2.10.29、R3.4.13、R3.4.27、R3.7.26、R3.8.6、R4.3.10)、東京本部情報会(R2.7.16、R3.9.7)などで既報の同社ならびにイセ(株)(法人番号:7230001011207、富山県高岡市福岡町福岡新181、同代表、飼料卸、昭和37年8月設立)は、3月11日に東京地裁へ会社更生手続開始を申し立てられ、同日同地裁より、保全管理命令を受けた。保全管理人は高井 章光弁護士(高井総合法律事務所、東京都港区西新橋1-15-5 内幸町ケイズビル9階、TEL 03-3519-7800)が選任されている。負債総額は、同社が278億円内外(うち金融債務は180億円内外)、イセ(株)が175億円内外(うち金融債務は80億円内外)、2社合計で453億円内外(うち金融債務は260億円内外)。申立人は両社ともに債権者の(株)あおぞら銀行ならびに株主の伊勢 俊太郎氏で、令和3年6月30日まで同社の代表取締役会長兼社長を務めていた伊勢 彦信氏の子息。俊太郎氏はISEホールディングス(株)(法人番号:1010001207261、東京都千代田区)にて代表取締役社長を務めている他、イセデリカ(株)(法人番号:3050001025146、茨城県龍ケ崎市)にて代表取締役会長も兼務する。株主が会社更生手続開始を申し立てることは珍しいが、会社更生法第17条第2項で申立権者は資本金の額の10分の1以上に当たる債権を有する債権者および総株主の議決権の10分の1以上を有する株主と定義されている。
昭和46年6月設立の鶏卵卸業者で業界最大手。育種や飼育をはじめ配送まで鶏卵にかかわる事業をグループで手掛けている。グループ全体での飼育羽数は1,300万羽とされ、国内マーケットの飼育羽数のおよそ1割を占めるなど、業界をリードしてきた。自社企画の「伊勢の卵」「森のたまご」をはじめとする鶏卵を全国のスーパーマーケットに販売。平成30年1月期には売上高470億6,000万円内外を計上していた。
イセ(株)は昭和37年8月設立の飼料卸業者。同社の関連会社としてグループ会社を経由して飼料などを仕入れ、関連の各農場子会社に販売していた。
しかし、卵価低迷や飼料価格高騰などに伴って2期連続の赤字を計上。グループ全体の資金繰りがひっ迫する中、金融機関との間で私的整理の協議も行われてきたが難航していた。この間、ノンバンクからの債権譲渡登記や関連会社における支払い遅延などもあり、資金面での変調が表面化。令和3年6月30日にはトップも交代する中、一部の金融機関がグループ会社の債権を譲渡するなど、今後の動向に注目が集まっていた。
今後、保全管理人のもとで事業を継続し、スポンサーを選定するもよう。保全管理人は金融機関との間で、DIPファイナンスに関する金銭消費貸借契約を締結済みとのことであり、資金繰りには支障がないと説明している。一般的な商取引債務については債権者が従前の取引条件で取引を継続することを条件として、約定に従って全額の弁済を行うとしており、現在の商取引は維持される見通しである。
業種 | 鶏卵卸 |
倒産形態 | 会社更生手続開始申立 |
所在地 | 東京都千代田区有楽町2-10-1 東京交通会館8階 |
設立 | 昭和46年6月 |
創業 | 明治45年1月 |
従業員 | 241名 |
代表者 | 田中 保成 |
資本金 | 2,000万円 |
年商 | 420億円内外(3/1) |
負債総額 | 453億円内外(2社合計) |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2021年4月13日
2021年7月26日
2021年8月6日
特別情報とは
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