2021年8月18日 公開
東証1部の機械メーカーI社~敵対的買収者登場|特別情報
投資会社のX社が当社株式を買い増ししていることに対し、X社を「不適切な者」と名指しし、買収防衛策を講じる準備に入った。国内最古の新聞輪転機メーカーだが、近年は新聞の発行部数減少や広告収入減などから輪転機の更新需要が大きく落ち込み、平成21年3月期から数十億円規模の経常赤字が続いていた。この間、工場の不動産を数年にわたって切り売りし、数百億円に及ぶ売却益を計上して資金繰りを維持してきた。その結果、26年3月期第1四半期には借入金をほぼ完済し、GC疑義注記から重要事象等へ変更した。しかし、新聞業界の構造的な発行部数の減少に歯止めはかからず、加えて新型コロナの影響から輪転機の更新時期がさらに延びている。デジタル印刷機の開発などにも力を入れているが、輪転機の落ち込み分を補うには至っていない。こうした中、突如として大株主に登場したのがX社である。X社と子会社のY社は今年6月9日から当社株式を買い始め、7月13日に共同保有割合が5%を超えたため、同月20日に大量保有報告書を提出。この時点では保有目的を「純投資」としていたが、14日に保有割合が15.01%を超え、21日に保有目的を「支配権の取得。ただし、現時点で、発行者に取締役候補者を派遣することは予定していない」とした変更報告書を提出した。この「支配権の取得」が当社の逆鱗に触れ、一応、X社側へは「支配権取得後の経営方針等に関する情報」の提供などを求めたものの、8月6日までに連絡がないとして買収防衛策の実行に移すこととなった。一方、X社は当社株式の取得について、「市場から著しく低廉に評価されていることから、株主総会における議決権を適切に行使することを通じて、当社の企業価値・株式価値を向上することができる」ことを理由に挙げ、当社からの書面の到着が8月4日となったため、「回答するために必要な最低限の時間すら与えられなかった」と主張している。当社が実際に買収防衛策を発動するとなると・・・
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