2021年7月21日 公開
東証2部の化粧品販売E社~今年も人事で大もめ|特別情報
これまでも当社の役員人事をめぐる混乱ぶりについては報じてきたが、今年6月15日に開催された定時株主総会ではその前日に当社が上程していた全議案を取り下げるという珍事が起きるなど、今年の株主総会も大もめとなった。ことの発端はX社長が代表を兼務するY社について株式交換により当社に経営統合を図ろうとしたところから始まる。株主総会まで1カ月を切った5月24日の取締役会で社長派とされるZ取締役がY社との経営統合を提案したが、6月7日開催の臨時取締役会までにデューデリが間に合わなかったため、総会での議案上程を見送って改めて検討することとなった。ところが、突如としてZ取締役とX社長及びU取締役の3名が監査等委員会設置会社への移行を提案し、可決されることとなった。Y社との経営統合に反対していた取締役2名及び監査役3名が監査等委員会設置会社への移行に反対したが、取締役の数で勝る社長派が押し切った。移行されれば現行の取締役・監査役は任期を残して退任することとなり、主導権を持つ社長派の意向で反対に回った5名は役員候補にさえなれない可能性もあり、総会後はX社長が意のままに当社を動かすことができるようになる。そこでX社長の暴挙に異を唱えたのが第3位の大株主である投資ファンドU社である。Y社との経営統合の問題点や取締役会決議の不備などを指摘した。ちなみに、後で提出されたY社の令和3年3月期の業績は、売上高1,600万円、経常損益▲1億1,400万円で、9,600万円の債務超過となっていた。ところがX社長による事業計画では、今後3年間で4億2,200万円の利益が出ることになっており、一部の取締役らが反対するのも当然である。また、U社はX社長による「不当な錬金術ともいうべき株式交換」と断じた。情勢が不利と判断したX社長側は冒頭で述べた通り、上程する全議案を総会前日に取り下げた。しかし、総会では議案の取り下げに対して株主の同意を得られず、そのまま議案として諮られることとなった。監査等委員会設置会社への移行については原案通り可決されたが、役員人事についてはU社による修正動議が提出され・・・
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