2021年7月14日 公開
東証1部のマッチングアプリ運営D社~個人情報流出問題の影響|特別情報
4月下旬、運営するマッチングアプリの管理サーバーが不正アクセスを受け、年齢確認審査書類として顧客から提出された171万1,756件分(アカウント数)もの同書類の画像データが流出したことが発覚し管理体制に懸念の声が上がっていたが、この影響で6月の月間新規会員数が直近3カ月間平均の約4割減となったことがわかった。当社の発表によれば6月の新規会員数は78千人で、直近3カ月平均128千人の約6割。過去1年間では2月の115千人をボトムに3月以降は5~10千人のペースで増加していただけに、単月での落差が際立った。当社では新規会員獲得の主力手段であるデジタル広告出稿を5月21日の問題公表直後から現在まで全面的に一時休止しており、それが6月の落ち込みの主な要因であると分析。ただ、流出内容には①氏名②住所③生年月日④顔写真⑤年齢確認書類毎の登録番号、といった運転免許証や健康保険証などに記載されている全5種に加え誤って提出されたマイナンバー1件も含まれており、こうしたずさんな管理体制への不信感の表れであることも否定できないだろう。当社といえば、マッチングアプリでの躍進によって平成27年9月に東証マザーズ新規上場を予定していたが、直前の8月下旬に上場承認を取り消した経緯がある。理由は「特定企業との取引に関連し、28年6月期の業績見通し未達になる可能性が生じたため」とし、この特定企業の社名は伏せられたが、28年10月に関連2社と東京地裁より特別清算開始命令を受けたX社とみられていた。26年6月期の売上高66億円のうち20%近い12億円がX社に対するもので、X社グループの業績悪化により28年同期の売上計画達成に大きな懸念が生じたため、監査法人の指摘で上場延期に至ったようだ。その後、仕切り直して29年3月にジャスダックに上場。おおむね増収増益で推移し30年3月に東証2部へ市場変更、31年4月に同1部銘柄指定となり、主にアフィリエイト広告に特化した広告事業とマッチングアプリを軸としたメディア事業を2枚看板に令和2年6月期は好業績を上げた。3年同期も売上高155億円、営業・経常利益5~8億円と強気の業績予想であったが、新型コロナウイルス感染拡大の影響で・・・
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