2021年6月23日 公開
東証1部の合成樹脂製品メーカーA社~創業家の内紛で今年の総会も大荒れ予想|特別情報
海外子会社で発覚した不正行為をきっかけに創業家同士の内紛に発展し、昨年6月に開催された定時株主総会では双方が取締役候補者を立てる異例の事態となったが、今年の株主総会も泥仕合の様相を呈している。昨年4月に公表された「第三者委員会の調査報告書」は、ベトナムの税関をスムーズに通してもらうために税関職員に対して日常的に賄賂を渡していたことや、その事実を創業家出身のX名誉会長(当時)に知られたくないY社長(当時)やY氏側とされるZ会長(当時、X氏の甥)による賄賂の隠ぺい工作などが述べられている。X氏は平成17年1月に社長を辞任して会長(26年6月から名誉会長)に退いた後も経営や人事にまで口を出すワンマンぶりで、社内ではモノが言えない隠蔽体質が蔓延していたという。そのX氏は世襲には否定的だったとされ、X氏の後に銀行出身者が3代続いた。X氏の後継者と目されていたZ氏は28年6月に会長職へ退けられると両氏の確執は決定的となり、役員人事に不当な介入をしたとして令和2年4月にX氏の名誉会長職を解いた。するとX氏は同年6月に開催された定時株主総会で子飼いの執行役員8名を取締役候補に立てて反撃に出ると、引退を表明していたZ氏は、息子のU常務と賄賂の経理処理で辣腕を振るったV取締役の再任及び新たに6名の取締役候補者を擁立した。しかし、当社の監査等委員会はU、V両氏とベトナムの経理責任者として税関職員への賄賂を容認していたW氏の3名は取締役に不適格だとして反対に回った。結局、監査等委員会が反対した3名の取締役選任は否決され、会社提案した残る6名は可決したものの、賛成率は60%前後にとどまった。一方、株主提案の8名は全員否決されたが、うち6名の賛成率は40%強に及んだため引き続き執行役員にとどまることとなった。そして、今月28日に予定される定時株主総会も会社提案と株主提案がぶつかり合うこととなった。会社側は・・・
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