2021年5月19日 公開
(株)パネイル|東京都中央区
【業種】 電力需給管理システム開発等
【倒産形態】 民事再生手続開始申立
【負債総額】 61億円内外
特別情報東京版(H31.3.28、R1.5.17、R2.3.4、R2.10.22、R3.3.4)および東京支社夏期情報会(R1.8.9)で既報。5月18日に東京地裁へ民事再生手続開始を申し立て、同日保全・監督命令を受けた。申立代理人は根來 伸旭弁護士(弁護士法人マーキュリー・ジェネラル、大阪市北区堂島浜1-4-16 アクア堂島NBFタワー11階、TEL 06-6344-4800)他。監督委員は平山 隆幸弁護士(平山法律事務所、東京都新宿区新宿2-9-22 多摩川新宿ビル9階、TEL 03-5363-7391)が選任された。負債総額は債権者50名内外に対し61億円内外が見込まれている。
平成24年12月設立の電力需給管理システム開発業者。設立後は太陽光発電業者向けのマッチングサイトを運営していたが、平成25年にポータルサイト「太陽光発電顧客紹介サービス」をリリースして、個人と法人向けの両軸で太陽光発電需要者の紹介業務を展開。他に、太陽光業者向けのコンサルティングサービスなどを併営し、平成28年4月からは新電力向け新サービスの電力需給管理システム「Panair Cloud」の提供に注力した。以降は従前の事業から徐々に軸足を移行して同システムに経営資源を集約。また、同社が電力取引所および各電力会社から調達した電力を、一般法人や官公庁、個人など需要家に販売するオペレーション業務に人工知能(AI)をマッチングさせて精度を高めて、大手企業を含めた取引先数を拡大した。更に、経済産業省の「J-Startup」に選出されるなど、有望なスタートアップ企業としてマスコミなどから注目を集め、多数のベンチャーキャピタルから出資も受けるなど人気を高めていた。平成30年4月には電力販売トップの東京電力エナジーパートナー(株)(法人番号:8010001166930、東京都千代田区)との共同出資で、電気とガスの販売を主眼とした(株)PinT(法人番号:3010001175548、東京都千代田区)を設立。同社は同業他社との連携も図りながら電気とガスの小売り事業を推進し、売り上げに寄与した平成30年9月期売上高172億6,100万円内外を計上した。しかし、平成30年の猛暑による電力需給のひっ迫で、仕入価格が高騰して逆ザヤを余儀なくされ26億6,600万円内外の最終欠損を計上し、自己資本比率は3%まで低下した。その後は同業他社との競合が激化して業績低迷が続き、資金繰りは悪化をたどる中、金融機関へ返済猶予を要請するまで財務面のぜい弱化が進行。令和2年2月には資本金16億1,975万円を1億円まで減資して、経営改善を図るも立て直しは奏功せず、令和2年秋ごろには早期退職者を募る一方で、他社への技術責任者移籍に関するトラブルも発生していた。こうした中、令和2年12月10日には本社を代表自宅所在地に移転し、代表以外の残りの役員が退任するなど動向が注目されていたが、悪化した資金繰りを正常化できず、自主再建を断念して今回の措置に至った。
業種 | 電力需給管理システム開発等 |
倒産形態 | 民事再生手続開始申立 |
所在地 | 東京都中央区日本橋兜町20-7 |
設立 | 平成24年12月 |
代表者 | 名越 達彦 |
資本金 | 1億円 |
年商 | 172億6,100万円内外(30/9) |
負債総額 | 61億円内外 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2019年05月17日
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