2021年4月7日 公開
ジャスダック上場のホテル経営K社~監査法人が意見不表明|特別情報
令和2年12月期の有価証券報告書で監査法人が「意見不表明」としたことから注目されている。CD・レコードの企画・制作・販売を目的に設立され、後にインディーズ系CDの販売等で急成長し、平成16年11月に株式を店頭登録した(後にジャスダックに上場)。しかし、このころから業績は下降線をたどるようになり、25年にシンガポールに本社を置く企業グループの傘下に入るとホテル事業へと事業形態を変更し、同年8月に沖縄でオープンしたのを皮切りに浅草、名古屋、札幌、広島へと進出した。また、31年2月には海外展開の一環として親会社からタイでホテルを経営する6法人を合計約65億円で譲り受けている。ただし、このうちの4法人が債務超過であるうえ、買収価格には子会社に対する延滞債権の譲り受け分も含まれており、不良資産を高値で押し付けられた感は否めない。なお、フィリピンにおいては来年から再来年にかけて2つのホテルが開業する予定であり、アジアでホテル展開するグループにあって当社は日本・タイ・フィリピンに足場を持つ地域リーダーとしての位置付けが期待されている。しかし、ホテル事業に参入した25年9月期以降、29年12月期と30年同期(28年から決算月を12月に変更)を除いて赤字決算が続いており、令和1年12月期以降はGC疑義注記が付けられている。こうした中、2年12月期決算で監査法人が意見不表明としたわけだが、その理由として2期連続営業損失及び経常損失に加え、「事業の遂行に必要な資金調達の目処が立っておらず、具体的な資金計画が提示されなかった」として、資金繰りに対する懸念を述べている。当社は対応策として①新型コロナ収束後におけるホテル客室単価と稼働率向上、②建設中のフィリピンのホテルを確実に竣工させること、③新たな資金調達手段の検討、④不採算ホテルからの撤退を挙げているものの、具体策には踏み込んでいない。当社が監査法人から意見不表明とされるのは・・・
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