2021年3月31日 公開
ジャスダック上場の化粧品製造J社~工場閉鎖発表|特別情報
コロナ禍での厳しい経営環境下で当初は昨年6月からの6カ月間としていた役員報酬の減額は結局、業績回復の糸口がみつからないまま継続に次ぐ継続で来年2月まで延長。さらに、これまで代表取締役30%、取締役20%、執行役員10%といった減額も経営責任や業務執行責任を明確にするとの理由で今期は一律50%に引き上げることも同月9日に発表したばかりだが、このほど取締役会で吹田工場(大阪府吹田市)の閉鎖を決議し発表したことで集計中の令和3年2月期決算が予想以上に悪化しているのではとの憶測を招いている。閉鎖する吹田工場は、国内生産3拠点のうち昭和46年12月に操業を開始した当社で最も古い工場。築50年と建物の老朽化が進んでいることもあり、座間工場(神奈川県座間市)とつくば工場(茨城県つくば市)に集約して経営資源の再配置と効率化を図るとしている。閉鎖時期は今年8月を予定しているが、前期決算で同工場閉鎖による特別損失を計上する見込みで、金額などについては現在精査中とのこと。同工場の不動産には当社が取得した翌年の昭和45年から平成25年12月の解除まで商工中金が最終的に極度額計5億円の根抵当権を設定していたが、解除後は26年7月からみずほ銀行が3億円の同登記を設定中。閉鎖後については触れられていないが、同工場の土地(771㎡)の帳簿価額16百万円(令和2年2月期末時点)に対し同年の路線価は1億円弱であり、仮に売却してもさほどの利益を生みそうにはない。昨年10月に既報のとおり、令和3年2月期第2四半期決算は売上高が前年同期比▲16.7%、期初予想比▲3.2%の50億81百万円にとどまり、さらに下期以降の厳しい見通しから通期業績予想を下方修正した。第3四半期はコロナ禍の影響がより鮮明となり売上高は前年同期比▲21.2%の72億05百万円。営業損失4億14百万円、経常損失3億50百万円を計上し、下期から赤字幅は拡大した。平成29年度からスタートした「中期事業戦略ビジョン(5カ年)」のなかで、「つくば工場第3期拡張工事による生産能力の拡大」を長期戦略目標の一つとして掲げているが、この戦略的成長投資により借入金は第3四半期時点で97億36百万円まで膨れ上がり、通期予想の売上高98億03百万円を達成できたとしても年商に匹敵するレベルで今後の経営に重く圧し掛かる。ここで不安視されるのは・・・
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