2021年2月3日 公開
ジャスダック上場の収納ラックメーカーB社~上場廃止へ|特別情報
創業家出身の社長による粉飾決算の発覚で経営危機に陥り、退任後も筆頭株主として影響力を残そうとしてきたが、上場廃止でようやく前社長の呪縛から解放されそうである。本情報で既報の通り、創業家出身の2代目社長X氏主導で行われた粉飾決算は、在庫操作や仕入れ原価の除外、架空売上や連結子会社間の利益の付け替えといったレベルにとどまらず、社員への給与の支払いを意図的に遅らせて翌期に費用計上するなど、とても上場企業とは思えないことが行われてきた。X社長が引責辞任したのは当然として、暴走を止められなかった全役員も辞任に追い込まれた。後任社長には生え抜きのY氏が就任したが、問題は筆頭株主でもあるX前社長の影響力をいかに排除するかにあった。東京証券取引所は令和1年8月から1年間、当社を特設注意市場銘柄に指定し、1年後に内部管理体制確認書を提出することを求めた。当社では、X前社長が筆頭株主として影響を残していては上場維持は難しいとの感触を得ていたため、X前社長の長男で第2位の株主である経営企画室室長のZ氏らが中心になって練られていた。2年8月に内部管理体制確認書を提出したが、X前社長が株式を手放す意向を示したのは翌9月のことである。ただし、譲渡先は長男のZ氏であること、非公開化後もZ氏が直接、間接問わず100%保有すること、Z氏が取締役に就任して経営を担うことの3条件を示しており、X前社長としてはあくまでも影響力を残したい考えだったようである。しかし、11月に東証から特設注意市場銘柄の継続が伝えられると株価が暴落し、ようやく事の重大さに気づいたX前社長は保有する全株式をZ氏に無償譲渡して一線から退くことを決意した。こうしてZ氏は66.9%を保有する筆頭株主となったわけだが、MBOは2年11月にZ氏の100%出資で設立された・・・
続きを読むには特別情報の会員申込みが必要です。
詳細は小社までお問合せください
特別情報とは
「倒産してからでは遅い」という声をよく聞きます。
たしかに与信管理や審査では事前の兆候について社内外からの幅広い情報収集は不可欠ですが、現実にはなかなか容易ではありません。
実は東京経済の「特別情報」は、独自の取材ルートと確かな実績で長年にわたり金融機関・総合商社をはじめとする審査のプロたちから一目置かれています。
審査マンの心強いパートナーとして、「特別情報」のご活用をお勧めします。
詳しくはお気軽にお問合せください。
無料お知らせメール登録
債権・動産譲渡登記リスト、問合せ集中ランキング、特別情報が更新されたことをお知らせするメールサービスを実施しております。 メールサービスの登録は無料です。お気軽にお申込み下さい。