2020年10月7日 公開
東証1部の住宅関連コンサルF社~監査法人が意見不表明|特別情報
平成26年以降、大掛かりな粉飾決算をしていたことが発覚し監査法人が意見を表明しなかったため、東証より監理銘柄(審査中)に指定された。5年前に上場廃止になったX社及びそのグループ企業出身者13名で設立した中小の建設会社や不動産会社向けに特化した経営コンサルティング業者で、全国1,400社あまりの会員企業にノウハウの提供と商材の販売を手がけ、一般個人向けに建築工事も行っている。27年2月の株式上場を目標に掲げていたが、同年4月期上半期の業績が芳しくなかったため、売上の架空計上や費用の先送りなどの不正経理が始まる。経理操作は財務経理部次長(29年5月期から部長)によって行われてきたが、その背景にはY社長(当時)の上場に向けた強い意向があり、担当次長は社内取締役及び社外取締役、常勤監査役(いずれもX社出身者)などに報告して了解を得てきた。一方、役員の中には不正取引に対して社長に直談判した者もいたが、社長は是正しようとしなかったという。結局、計画未達などでマザーズへの上場は28年4月まで持ち越されるが、上場直前に架空取引に協力した業者がウェブサイトで当社の不正をほのめかす記事を掲載した。その後、協力業者からウェブサイト運営者に記事の訂正の見返りに160万円を支払っていたことが暴露されるが、資金の出どころを当社とにらんだ大手のZ監査法人は銀行証憑の確認等を行ったものの、事実を確認するには至らなかった。本格的な調査が始まったのは今年6月に外部からもたらされた情報からで、監査役会による不正取引の実態調査が始まった。しかし、その実態が根深かったため、改めて外部の専門家で組織された特別調査委員会が設置された。参加者は調査補助者も含めると弁護士23名、公認会計士13名に及ぶ大掛かりなものとなった。利益の水増しは最大で25%に及んだが、粉飾自体は今年6月に発覚するまで会社ぐるみで行われてきた。Z監査法人は訂正した有価証券報告書に対して意見を表明せず、直ちに監査契約を解除し、当社は意見不表明を受けて9月30日付で監理銘柄(審査中)に指定された。一方、Y社長は同日付で辞任(取締役も辞任)し、後任に…
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