2020年8月26日 公開
東証マザーズ上場の広告制作T社~シンジケート・ローンの更新できず借入金延滞|特別情報
2年前にも連結子会社による不適切な会計処理を報じたが、シンジケート・ローンの更新ができず今年7月末までに借入金の返済ができなかったため、延滞状態となっている。広告代理店や出版社、一般企業向けに広告写真やコンピューターグラフィックスなどをオーダーメイドで提供し、商品企画からイベントまで一貫して手がける。順調に伸ばしてきた業績は平成26年12月期を境に頭打ちとなり、30年になると長年にわたって中国の連結子会社が不適切な会計処理を行っていたことが発覚した。その後、業績は回復したかに見えたが、令和1年12月期は人件費の増加や繰延税金資産の取崩しにより2億23百万円の赤字となった。令和2年12月期に入ると昨年10月に施行された消費増税による受注の落ち込みに新型コロナウイルスが追い打ちをかける形となった。特に緊急事態宣言が発出されていた4月から5月にかけて受注高は前年同期比で40%以上も下回り、2年12月期第2四半期は売上高85億76百万円(前年同期は111億67百万円)、経常▲10億96百万円(同12百万円)、最終▲18億29百万円(同▲1億19百万円)となり、2億06百万円の債務超過となった。通期業績予想も取り下げ、未定にしている。こうした中、6月末に期限を迎える30億円のシンジケート・ローン(コミットメントライン方式で、30億円満額利用)の更新ができなかったため返済期日を7月末まで延ばし、アレンジャーを含む取引金融機関5行と個別相対契約へ切り替えて金融機関ごとにリファイナンスすることを模索してきた。しかし、この契約も締結に至らなかったため、8月以降、30億円の借入金は延滞状態となり、2年12月期第2四半期決算でGCの疑義注記が付けられた。借入金の総額は…
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