2020年6月17日 公開
東証2部の半導体検査装置メーカーK社~前社長が取締役2名を解任要求|特別情報
昨年9月に当社の親会社となった中国・武漢市のX社が当社の資産を不正に流用しているとして、前社長で第3位の株主(2.5%)であるY氏が取締役2名の解任を求める臨時株主総会の招集請求をした。携帯電話などに使われるディスプレイやカメラの半導体及び液晶向け検査装置の製造を目的にY氏が設立したもので、ファブレスメーカーとして業績を伸ばし、東証マザーズに上場した翌年の平成16年7月期に過去最高となる20億円の売上高を計上した。しかし、半導体市況の低迷を受けて業績は悪化し、18年7月期以降14期にわたって赤字経営が続いている。こうした中、26年に台湾へ、29年に中国へ進出したが、Y氏は30年10月にCS推進を担当する会長に退き、中国出身で開発を担当するZ副社長が社長に昇格した。Z氏はファブレスメーカーの限界を感じていたとみられ、昨年3月に大阪の会社から音響機器事業や半導体検査装置事業の開発・製造・販売部門を買収し、さらに同年9月にX社と資本提携すると同社を割当先とする増資で26億円の調達に成功し、この資金を元手に同年12月に武漢市内に製造子会社を設立した。こうした矢継ぎ早の政策にY氏は快く思っていなかったようだが、すでにY氏の出る幕はなかったようである。Y氏は昨年10月29日の株主総会で取締役に再任されたにもかかわらず、同月31日に代表権を返上し、翌月8日に取締役を辞任した(登記上の日付はいずれも昨年10月29日付)。一方、当社は今年2月に台湾企業との資本提携を発表し、同社を割当先とした増資で7億26百万円を調達(払込期日は6月30日)する予定だが、3月に開催された臨時株主総会でY氏は反対票を投じたものの、圧倒的多数で可決された。武漢の工場は約1か月遅れの4月8日に操業したが、一連の新型コロナの影響で57百万円を減損処理した。この件についてY氏は「X社が当社の資産を不正に流用している疑いがあり、特別損失はX社の利益のために不正に支出した費用の疑いがある」として、Z社長と、X社の董事長を兼務する取締役の解任を求めてきた。実際に…
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