2020年5月26日 公開
(株)国際ホテル|青森市
【業種】 ホテル経営
【倒産形態】 破産手続開始申立
【負債総額】 16億円内外
5月25日に青森地裁へ破産手続開始を申し立て、同日同地裁に受理された。申立代理人は石岡 隆司弁護士(石岡法律事務所、青森市古川2-20-3 朝日生命青森ビル7階、TEL 017-735-4838)で、負債総額は16億円内外が見込まれており、新型コロナウイルスの影響により同ホテルは休業していた。なお、建物と土地については、5月20日に、青森県内でホテル経営や外食産業を行う(株)城ヶ倉観光(法人番号:2420001001110、青森市)と売買契約が結ばれている。
昭和23年7月に旧(株)国際ホテル(青森市)として設立され、地上12階、地下1階の建物に67室の客室を持ち、青森市内では老舗ホテルとして高い知名度を誇る。しかし、設備投資負担がかさみ、平成23年7月に旧(株)国際ホテルを(株)MS商事(青森市、平成24年2月に特別清算手続終結)に商号変更するとともに、新設分割スキームを使用して一切の資産、負債の一部や従業員を引き継いで、事業継続を目的に新たに同社を設立した。
元々、宴会やレストラン部門を主体とした展開だったが、差別化を図りブライダル事業に進出。しかし、少子高齢化などもあってブライダル事業は上手くいかず、新規事業に投じた設備投資資金も多額で有利子負債は年商をはるかに超え、利息負担も重荷となっていた。また、建物の老朽化なども深刻で、新規進出した同業他社との競合も厳しく減収に歯止めがかからない状態だった。
この状況の中で、新型コロナウイルスを原因とした緊急事態宣言発令に伴う外出自粛により、宴会や会議などの需要が激減。緊急事態宣言が青森県まで広がったことで、4月21日から全館休業を余儀なくされ、同社ホームページ上では6月30日までの休業を告知していた。事業再開を目指していたが、過年度の経緯から融資が見送られたことで運転資金調達ができず、資金繰りが限界に達し今回の事態となった。
なお、従業員80名に関しては、土地建物を引き継いだ(株)城ヶ倉観光が可能な限り継続雇用するとしているものの、全員は難しいとコメントしている。
業種 | ホテル経営 |
倒産形態 | 破産手続開始申立 |
所在地 | 青森市新町1-6-18 |
設立 | 平成23年7月 |
創業 | 昭和13年4月 |
従業員 | 75名 |
代表者 | 中山 大輔 |
資本金 | 500万円 |
年商 | 7億円内外(2/3) |
負債総額 | 16億円内外 |