2020年4月22日 公開
ジャスダック上場のオークション事業F社~株主提案が可決|特別情報
3月26日開催の臨時株主総会においてX氏らによる株主提案が圧倒的多数で可決され、役員4名が解任されると同時に新たに6名の役員が選任された。ことの発端は第2期中期経営計画(平成30年からの10年ビジョン)を主導していたX氏が30年8月に社長を解任され、代表権のない会長に退いたことに始まる。30年5月期の最終赤字2億57百万円は、X氏が代表を務めていたエネルギー関連企業の3億03百万円の赤字が原因であり、さらにX氏は同社から多額の報酬を得ていたうえ、乱脈に近い形で使われた経費と合わせるとその額は1億円を優に超えており、無責任な経営を止めるには更迭するしかなかったと結論付けている。一方、X氏は株主提案の理由として、令和1年5月期に成長著しいミャンマーの子会社を売却したにもかかわらず、56百万円の赤字に終わったこと、これまでのオークション事業を踏襲するばかりで新規事業に踏み出すなどのリスクと取ろうとせず、後ろ向きの経営判断に終始して自己保身に走っていること、このままでは令和2年5月期も赤字決算に終わりかねないなどを挙げている。これに対してX氏を除く全役員は次のように反論している。ミャンマーの子会社の売却はこれ以上の赤字を止めるためであり、さらにエネルギー関連会社から同社への資金流出を止めるためでもあった。また、X氏が言う消極的な経営姿勢とはX氏が提案した企業買収が反対されたことを指すが、その対象となる企業には関連会社との不透明な取引が疑われるうえ、買収価格1億50百万円も算定そのものに誤りがあり、さらに買収を強引に進めようとする背景にX氏に同調する株主を作ろうとしていたのではと推論付けている。X氏によれば、買収した子会社が債務不履行を起こしても「倒産させてしまえばいいのだから、子会社の債務に対する親会社のリスクは無い」と述べている。また、X氏は昨年9月に自己株式24万株を約1億円で買い受けて持株数を増やしているが、この際に払い込んだ1億円とミャンマーの子会社の売却で得た2億円、さらに過去に担当した第三者割当増資で得た1億円の合計4億円は、X氏の裁量で自由に使わせるべきだと主張している。今回、X氏と資本業務提携先である香港企業による株主提案は94.3%の賛成多数で可決し、新たに…
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