2019年10月9日 公開
東証1部の通信機器メーカーT社~新社長が3ヵ月で辞任|特別情報
6月27日に就任した新社長がわずか3ヵ月で辞任したことから、会長との確執が取りざたされている。当社は現会長のX氏が前身企業の経営を引き継ぐために設立したもので、米国でトランシーバーがブームになると現地法人を買収して一挙に事業を拡大した。その後も営業エリアを豪州、欧州にも広げ、製品アイテムも拡大した。昭和61年9月に株式を店頭登録すると、翌年会長へ退いたが、ワンマン振りが変わることはなかった。その後、平成8年6月に会長兼社長に就任するが、9年4月に会長になったかと思うと、12年10月に平取に、16年11月には代表取締役ファウンダーへと肩書きをコロコロ変えている。この間、X氏のリーダーシップによる即断即決経営で18年3月期に売上高857億円を計上したが、この期を境に業績は下降線をたどるようになり、同時に役員人事も迷走するようになる。21年以降、新たに29名が取締役に就任しているが、約半数が1年足らずで辞任しており、1ヵ月や2ヵ月で辞任した取締役も少なくない。社長人事についても、直近10年のうち4年間をX氏がトップを務めてきたが、残る6年間で6名が交代している。X氏のワンマンぶりは従業員に対しても向けられている。給与査定は毎年ゼロベースで見直され、20%以上下げられることもあるという。また、退職の際に雇用条件通知書に記載された金額を勝手に減額したことで裁判にもなった(28年7月20日、東京地裁で当社が敗訴)。さらに当社の新年会に子会社の社員が出席しなかったことに腹を立てたX氏が、子会社の代表を即日解任したという事件も起きている。当然ながら従業員の入れ替わりも多く、17年3月期末にグループで2万人を超えていた従業員は、今年3月期末時点では789名まで減少している。それも自然減によるものだ。こうしたワンマンぶりを快く思わない株主も多く、今年6月に開催された定時株主総会では、X氏の取締役選任に対する賛成票はわずか57.9%にとどまった。そして、1年で退任した前社長の後任に、EC大手で事業本部長を務めたY氏が就任したが、Y氏も3ヵ月後の9月20日付で辞任している。健康上の理由によるものとしているが・・・
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