2019年7月11日 公開
(株)エーエヌディー|福岡市中央区
【業種】 医療機器・医薬品・医療材料購買代行
【倒産形態】 民事再生手続開始申立
【負債総額】 40億円超
特別情報福岡版(H30.12.5)で既報の同社は、7月10日に福岡地裁に対して民事再生手続開始を申し立て、同日保全処分および監督命令を受けた。申立代理人は信國 篤慶、矢部 聖子の両弁護士(森・濱田松本法律事務所福岡オフィス、福岡市中央区天神1-6-8、TEL 092-739-8140)。負債総額は流動的であるが40億円を超える見込み。
平成25年4月に設立。「医療系フィンテックサービス」という新たなカテゴリーを創出し、医療経営サポート事業で急成長を遂げ、国内外の市場へ株式の上場を目指していたが、急激な事業拡大に反して資金繰りは伴わず、事業も鈍化していた。
医療流通業界のベンチャーとして、平成26年には病院の調達窓口を一括して代行する「購買代行事業」を開始。平成27年にはクラウドシステムに金融サービスを付加した「医療系フィンテックサービス」という新たなカテゴリーを創出し、売上高が30億円内外と大きく伸長した。この画期的な取り組みは、平成28年版九州経済白書でも大きく取り上げられるなど注目を集め、大手医薬品卸会社との資本・業務提携から売上高100億円突破を予想していた。同社サービスは、フィンテックサービス・購買代行サービス・SPD役務提供サービス他。フィンテックサービスとは、医療機関の代金支払いに関する期間を延ばすことでキャッシュフロー改善の支援を行うことや、高額な先進医療機器などに掛かる設備投資を同社が代行し、同社顧客となる医療機関からは、指定回数の利用料の支払い(資産のオフバランス化)により設備投資を支援するサービス。
同社は後発業者ながら、当初の医療物流管理コンサルティングに加え、特異性のあるサービスを提供し、業績も拡大基調で推移してきた。資金面では平成28年に取引行が無担保で社債を引き受けるなど、一時は与信も形成されていたが、急拡大を続ける一方で資金需要は旺盛で、業績も平成29年3月期はもくろんでいた売上高100億円には大きく届かず、計画は下方修正を余儀なくされていた。業容拡大に資金面が追いつかず、一部医療機関からの未回収の債権も発生。平成30年8月には資本金の減資、取締役が複数辞任し、3月には本社事務所を福岡市博多区東比恵から福岡市中央区舞鶴に移転。再起を図っていたが資金繰りの問題は解決せず、自力再建を断念、今回の事態となった。
現在、スポンサーを選定し再生計画外での事業譲渡によりスポンサーに事業を継承する予定で、事業は従来どおり継続して営業している。債権者集会は7月17日午後1時30分から「TKPガーデンシティ博多アネックス(会議室・ジュピター)」(福岡市博多区博多駅前4-11-48 ホテルサンライン福岡博多駅前2階)において開催するとしている。
業種 | 医療機器・医薬品・医療材料購買代行 |
倒産形態 | 民事再生手続開始申立 |
所在地 | 福岡市中央区舞鶴2-7-3 |
設立 | 平成25年4月 |
従業員 | 45名 |
代表者 | 久保田 洋充 |
資本金 | 3,000万円 |
負債総額 | 40億円超 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2018年12月5日
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