2019年3月13日 公開
東証2部のホテル開発・運営L社~増資で債務超過回避へ|特別情報
平成31年3月期第3四半期でGCの重要事象等が記載され、期末で債務超過に転落することが確実となったことから急きょ、増資をすることとなった。大正元年に撚糸事業を目的に設立され、長らく同事業を主業に据えてきたが、平成18年10月に東証の所属業種を「繊維業」から「不動産業」へ変更するなど、徐々に不動産へシフトしていき、23年3月期に同事業から完全撤退した。しかし、不動産事業もリーマン・ショックの影響を受けて21年3月期に61億円もの最終赤字に転落し、25年3月期まで赤字経営が続いた。この間、20年10月にM&Aでホテル事業に参入し、不動産事業からホテル事業へ大きく舵を切り始めた。同社を買収したことで世界最大級のホテルチェーンの国内唯一のエリア会社となり、現在、全国に16ヵ所で運営。また、東日本大震災を機に復興従事者向けの長期宿泊施設を立ち上げ、東北地区に6施設を運営している。しかし、30年3月期に大幅な減収に見舞われ、再び赤字に転落している。東北地区における復興従事者の激減で業績が悪化したためで、この傾向は31年3月期に入っても続いており、同第3四半期では最終3億45百万円の赤字(前年同期は4億43百万円の赤字)となった。こうした状況を見かねたためか、筆頭株主が当社株式を売却する意向を示したため、新たに米国の不動産投資会社と資本業務提携を締結し、30年11月に同社が組成したファンドが総額6億44百万円の増資を引き受けて32.0%を保有する筆頭株主となった。だが、その増資資金も大半が借入金の返済に充てられため、同ファンドから12月21日付で新たに9億40百万円を借り入れている(返済期日は31年3月31日)。こうした中、2月20日付で通期の業績予想を、最終6億60百万円の赤字から28億95百万円の赤字へ下方修正した。東北の施設の固定資産にかかる減損損失として16億42百万円、収益物件の減損損失として4億74百万円などを計上するためで、10億円程度の債務超過に転落することになる。このため、新たに・・・
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