2018年11月7日 公開
ジャスダック上場のソフトウェア開発Q社~上場維持できるか|特別情報
来年3月に債務超過による上場廃止の期限を迎えるが、有効策もないまま、業績不振を理由とした代表の引責辞任が続いている。通信事業者向けのシステム開発を目的に設立され、同事業者が提供するサービスを技術面で支えてきたが、売上高が落ち込む中、平成25年5月に「中期経営計画」が策定された。しかし、成果も出ないまま28年2月に「新経営方針」が発表され、同年5月には「新中期経営計画」も出された。従来の事業領域拡大策から一歩踏み込んだもので、M&Aによる新分野への開拓が織り込まれた。28年4月にX社を子会社化し、同年9月に株式交換でY社をグループ傘下に収め、29年1月にY社がZ社の一部株式を取得してQ社の持分法適用関連会社にした。この間、28年11月にU社を子会社化し、29年10月には東証1部上場企業との合弁でV社を設立している。こうして29年3月期以降の売上高は劇的に伸張したものの、採算を伴ったものではなく30年同期は減損損失や投資有価証券評価損、U社の借入金に対する債務保証損失引当金など10億円もの特別損失を計上した結果、最終17億円もの赤字で2億39百万円の債務超過となり、上場廃止に係る猶予期間入り銘柄となった(31年3月31日まで)。赤字の原因となったX社は29年5月までに全株式を売却し、特定商取引法違反で30年3月29日から6ヶ月間の業務停止命令を受けていたU社は議決権比率を16.7%まで下げて持分法適用関連会社から外した。その他についてもセグメント情報を見る限り、黒字事業はひとつもない。当然、経営陣の責任問題は避けられないところで、29年11月に社長を退いていたα氏は30年4月に取締役を辞任し、α氏の後任のβ氏も30年10月9日付で代表取締役ならびに取締役を辞任、後任には財務担当役員のγ氏が代表取締役に就任した。債務超過については・・・
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