2018年9月20日 公開
ジャスダックの医療ベンチャーJ社~代表がコンプラ違反で解任|特別情報
創業社長のX氏が9月13日付でコンプライアンス違反を理由に代表取締役を解任された。東京大学医科学研究所発のベンチャー企業で、樹状細胞ワクチンによるがん免疫療法や再生・細胞医療に関する研究・開発を手がけている。X氏は東海大学医学部を卒業した後、同附属病院の勤務などを経て平成15年4月に東大医科学研究所に研究員として入所し、翌16年6月に当社を設立した。問題となったのはX氏と主力取引先であるY社との関係である。Y社の前身であるクリニックと業務提携したのは17年5月のことで、当時は当社の全取引をY社に依存し、29年12月期においても全売上高の約31%を占めている。そのY社にX氏は出資もしていなければ役員に就任した経緯もないものの、Y社理事長名義の印鑑や銀行口座の通帳を自ら管理するなどX氏の完全な管理下にあるが、設立2期目から債務超過の状態にあり、当社に対する未払金が28年4月末時点で約1億円滞留していた。同年6月から毎月1,000万円を分割弁済することで合意したものの、滞留債権は同年末で約1.8億円に達するなど、むしろ増加している。そのY社は借入金1億5,000万円を返済するため、30年1月末に某ファンドから3,000万円(年率15%、返済期限2月28日)を調達した。しかし、2月末日の返済ができず、新たに5,600万円(年率15%、返済期限3月31日)を調達、さらに3月には1億7,500万円(年率15%、返済期限9月21日)へと借入金は雪だるま式に増えていった。一方、X氏は当社株式を売却し、その資金をX氏のプライベートカンパニーを通してY社に融資して当社に返済するスキームを考案していた。X氏が売却した先はY社の借入先と同じファンドで、30年2月26日付で20万株を7,600万円(1株380円、同日の終値607円の約63%)で、3月13日付で50万株を2億1,750万円(1株435円、同日の終値671円の約65%)で売却した。だが、実際にX氏に支払われたのは株売却に伴う納税資金分の6,000万円のみで、残る2億3,350万円はY社の借入金に対する連帯保証債務の担保として支払われることはなかった。X氏は個人的にも資金に窮し、X氏の借入先の1つである・・・
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