2018年9月5日 公開
東証マザーズ上場の生活関連サービスH社~架空売り上げ計上|特別情報
長年にわたって売上の実在性に疑義がある取引が行われてきた実態が第三者委員会の報告で明らかとなった。今回指摘されたのは3件。1件目は平成28年9月から29年2月に行われた土地売買の件で、当社が1億6,500万円で取得した大阪市西区の土地を1億8,000万円で売却する予定であった。ところが造成の過程で隣地所有者とトラブルが発生したため、購入予定者が購入を拒否。結局、購入予定者に1億8,000万円で一旦買い取ってもらった後、当社が実質支配しているX社が2億3,600万円で買い取ることとなった。商流は当社→購入予定者→X社で、当社は売却代金1億8,000万円を売上として計上した。ところが、X社の実態は休眠会社で、資金は当社の筆頭株主であるY社から調達していることからグループ間の取引とみなされ、売上計上は否認された。2件目は当社の株主の孫会社よるフランチャイズ契約にかかるもの。孫会社は29年5月に某社とフランチャイジー契約を締結し、フィーとして7,000万円を支払い、某社は総代理店である当社の連結子会社のZ社に販売手数料として3,400万円を支払っている。資金の流れは孫会社→某社→Z社であり、Z社は受領した販売手数料3,400万円を売上計上した。しかし、孫会社は支払った7,000万円のうち、5,500万円の出所は先の事例と同じY社からであり、当社代表を通じて孫会社に支払われたもので、売上確保を目的にFC加盟した可能性も否定できず、これも否認されている。3件目は上場直前の24年11月期に行われたもので、当社の要請により取引先がキャンペーンを実施し当社が業務を受託した。会員増加を目的としたものだが、休眠会員に対して期間限定でサービスを提供することで会員を水増ししてカウントし、当社は業務委託料4,200万円を受領して売上計上した。そのバーター取引として、X社が運営する会員制クラブ会員に取引先がサービス提供し、その対価としてX社が2,700万円を支払った。だが、X社は先に述べたとおり休眠会社であり会員制クラブに実態はなく、無償で取引先に2,700万円が支払われたことになる。今回も資金は当社代表からX社を通して支払われており、この売上も否認された。いずれの事例も・・・
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