2018年5月16日 公開
東証マザーズの太陽光発電関連N社~全面敗訴|特別情報
元代表のX氏を相手取ってN社及び筆頭株主のY氏が提起していた損害賠償請求訴訟は、N社の全面敗訴となった。N社はもともとX氏が企業向け情報共有用パッケージソフトの開発を目的に設立したもので、平成19年に東証マザーズへ上場した。しかし、その後の業績悪化で債務超過に転落し、これを回避するため23年に株式交換によりZ社を完全子会社化した。しかし、実態はZ社による乗っ取りであり、X氏は24年に取締役を辞任したほか、他の役員も辞任に追い込まれている。その後、X氏はY氏ら経営陣による乗っ取りの詳細を証券取引等監視委員会に告発している。告発状の表題は「N社に関わる不適切な審査プロセス及び経営陣の不正行為に関する管理監督のお願い」というもので、要約すると次のとおりである。①株式交換前にZ社が提示した事業計画は「全く根拠のない荒唐無稽な数値であった」、②ソーラー事業における『受注済リスト』のほぼすべてが実体のないものであった、③Y氏が取締役会決議を経ずに独断で設立した合弁会社には、反社会的勢力との関係が強く疑われる人物が入り込んでいた、④事態を懸念した旧経営陣はさまざまな対応策を取ったが返り討ちに遭い、24年には取締役、監査役が相次いで辞任に追い込まれた。①はZ社は実現不可能にもかかわらず、高い数値目標を設定することで企業価値を上げ、N社に対して有利な条件で株式交換をしたというもの。②は提携のメリットとして米ナスダック上場企業と独占販売契約していることをアピールしたが、実際は契約自体が虚偽で、『受注済リスト』も架空受注ばかりだったという。③は24年7月に設立したV社のことと見られるが、同年9月に解散を決議している。④は当時の商業登記等を確認すれば明らかである。X氏を提訴したのは27年のことで「一部メディア等を利用して虚偽等の内容を記事として掲載させた疑いがあり風評被害を被った」として合計1億8,826万円の損害賠償を請求した。その判決が今年4月26日に下されたわけだが、その内容は「原告の各請求をいずれも棄却する」「訴訟費用は原告側が連帯負担とする」というもので、N社側が全面敗訴となった。N社側は・・・
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