2018年5月9日 公開
東証1部の海洋資源掘削M社~巨額赤字で債務超過転落へ|特別情報
大幅な業績下方修正により、債務超過に転落することとなった。海洋掘削の市況は原油価格などに大きく左右されやすく、比較的高値で安定していた平成26年3月期には売上高401億円を計上していたが、翌期以降は下降線をたどるようになり、2期連続赤字により29年3月期にシンジケート・ローンやリース契約にかかる財務制限条項に抵触する事態となった(期限の利益の喪失は回避)。30年3月期に入ると原油価格は上昇に転じ、当社の売上高も202億円へと回復する見通し。しかし、一部の海洋掘削設備(リグ)に減損損失151億89百万円を計上する必要が生じ、併せて現在建造中のリグに対し建造プロジェクト損失引当金171億01百万円、さらにリース契約損失引当金51億61百万円を売上原価に計上することとなった。この結果、経常利益は期首予想の▲75億55百万円から▲120億06百万円へ、当期純利益は▲85億92百万円から▲454億10百万円へ下方修正し、155億円ほどの債務超過になる。稼働率の低下が減損の理由だが、リース会社X社との間で契約した2基のリグのリース契約も問題となっている。X社の間で26年10月に「リース方式による海洋掘削リグ運用プロジェクト」がスタートし、28年10月に1基、同年12月にもう1基のリース契約が締結される予定であった。しかし、30年1月、31年1月へと延期になった上、肝心の掘削契約が獲得できなかったことからリースが組めなくなるという失態を演じ、30年1月契約予定であったリグは当社が280億円で買い取ることとなった。100億円は1月に支払いを済ませているが、支払期限が7月31日となっている残金180億円については、現時点で資金手当てはできていない。もう1基についてはリース契約に向けて交渉中である。一方、30年3月期は下方修正でコベナンツヒットとなり、有利子負債340億13百万円のうちの191億03百万円及びリース債務109億56百万円の計300億59百万円が即時返済の対象となる。金融機関とは・・・
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