2017年11月29日 公開
東証1部の医療機器メーカーP社~粉飾決算と横領|特別情報
昨年粉飾決算が発覚したが、会社の金を着服していた元取締役に対する損害賠償請求訴訟の判決が11月15日にあった。採血管準備装置(採血・採尿検査準備作業を自動で行う装置)や検体検査装置を得意とするファブレスメーカー。平成15年に株式公開して以来、増収基調を辿ってきたが、昨年、大掛かりな粉飾決算が発覚しており、全社的かつ巧妙に行われていた実態が明らかにされている。粉飾決算は平成19年3月期から26年3月期までに複数回にわたって行われ、具体的な例として、①納品していないにもかかわらず、当社が契約している外部倉庫に製品を移動させ、一方で架空の研究開発を発注することで資金を還流させたかに見せるなどの架空取引を行っていた、②海外への取引については顧客注文書、船荷証券、航空貨物運送状の偽造などをして架空取引を行っていた、③医療関係システムの開発や更新などについては、顧客からの検収を受ける前に検収書を偽造して売上計上していたなどを挙げている。これを受けて、28年8月に創業者の代表や営業担当常務、経理担当常務の3名が引責辞任したが、創業者の長男は社長職にとどまることとなった。粉飾決算を行ってきた背景には創業者の「売上高を前期比で増加させ続ける」との考えがあり、創業者了解の下で財務・経理部門を担当していた元取締役のX氏が具体的な方法を立案し、他の役員にも「不適切な会計処理を行ってまでも実現しなければならない」という誤った意識が蔓延していたという。創業者の下で粉飾決算に手を染めていたX氏は、一方で会社の金を横領し・・・
続きを読むには特別情報の会員申込みが必要です。
詳細は小社までお問合せください
特別情報とは
「倒産してからでは遅い」という声をよく聞きます。
たしかに与信管理や審査では事前の兆候について社内外からの幅広い情報収集は不可欠ですが、現実にはなかなか容易ではありません。

実は東京経済の「特別情報」は、独自の取材ルートと確かな実績で長年にわたり金融機関・総合商社をはじめとする審査のプロたちから一目置かれています。
審査マンの心強いパートナーとして、「特別情報」のご活用をお勧めします。
詳しくはお気軽にお問合せください。
無料お知らせメール登録
債権・動産譲渡登記リスト、問合せ集中ランキング、特別情報が更新されたことをお知らせするメールサービスを実施しております。 メールサービスの登録は無料です。お気軽にお申込み下さい。