2017年8月23日 公開
東証1部の半導体・電子部品商社B社~不正会計で社長辞任だが新疑惑も|特別情報
すでに不正会計疑惑に伴う決算発表延期とX社長の関与をうかがわせる内部告発文の存在を報じていたが、7月31日に平成25年3月期以降の決算訂正および29年同期の決算発表を行うとともに、香港の子会社における損失隠蔽に伴うX社長の引責辞任が決定した。延期されてきた定時株主総会は9月15日に行うことになり、その決議を経て新社長のY氏が正式に就任する。会計疑惑を受けて発足した第三者委員会の調査により、平成27年3月に香港子会社の液晶パネル取引で発生した4,600万米ドル(約51億円)の不良債権を隠し、別のビジネスでの前渡金を還流させたり、転換社債を引受けたりする回収偽装工作を続けた結果、トータルの損失額は190億円にもふくらんでいることが明らかになった。さらにこれを機にグループ全体で前渡金が関連した取引の見直しを行った結果、シンガポールの現地法人でも特定取引先からの7月下旬期限の売掛金回収が予定を大きく下回ったことから33億円の売掛金全額に貸倒引当金を計上することとなった。香港子会社の問題とは無関係とのことだが「そもそも当社においては、日系優良企業向け商社ビジネスで業容を発展させてきた社歴から厳格な与信管理がほとんどないまま海外進出したうえ、ローカル企業との取引に際しても(中略)各グループ会社にゆだねられ当社の審査部署が一定額以上の取引につき与信管理をすることもなく、極めて杜撰な与信管理体制であった」(第三者委員会報告書)ことによる問題がここにきて噴出した格好だ。取締役会によるチェックも機能していなかった。訂正後の28年3月期決算は62億円の最終赤字、29年同期も86億円の赤字で、同期末の自己資本比率は29.6%と訂正前の28年12月末時点の40.1%から一気に10ポイント余り低下した。営業キャッシュフローも2期連続赤字で、有利子負債も増加してきた。Y次期社長はX氏同様、主力仕入先である・・・
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