2017年3月27日 公開
続報/(株)てるみくらぶ|東京都渋谷区
【業種】 旅行代理店
【倒産形態】 破産手続開始決定
【負債総額】 151億円内外

3月24日付本情報にて事業停止を既報の同社は3月27日、東京地裁へ破産手続開始を申し立て、同日付で破産手続開始決定を受けたことが判明した。破産管財人は土岐 敦司弁護士(成和明哲法律事務所、東京都港区虎ノ門4-3-1城山トラストタワー31階、TEL 03-5408-6160)が選任されている。負債総額は申立時で151億円内外。このうち旅行者に対する債務が100億円内外にのぼる。
平成10年12月に当時親会社だったアイ・トランスポート(株)(東京都渋谷区)の子会社として、同社の格安海外ツアー販売を目的に設立。平成11年夏ごろより本格的な営業活動を開始した。自社のネット「てるみくらぶ」にてインターネットによるオンライン予約販売を中心に、ハワイ、グアム、サイパン、韓国、台湾など格安パッケージツアーを展開し一定の知名度を有していた。札幌、名古屋、大阪、福岡の国内営業所に加え、ハワイ、グアムにも現地法人を設立し、平成23年9月期の売上高は134億2,400万円内外を上げていた。その後も好調の海外クルーズに加え、合併効果もあり平成28年9月期には195億9,600万円内外にまで売上高を伸ばしていた。
しかし、販売強化のための増員や広告費負担がかさみ、また、平成28年にかけては円安の影響も受けていたようでかねてより利益面は低調に推移。業界関係からは破格の”格安”販売に懸念を抱く声も数多く聞かれていた中、平成28年中ごろにはグアムの営業所を閉店。今年3月上旬にかけてノンバンク筋へ融資を打診するなど資金繰り悪化が顕著となっていた。そしてついに旅行業者からIATA(国際航空運送協会:International Air Transport Association)加盟の航空会社に対し精算予定だった先週3月23日のBSP(Billing and
Settlement Plan)決済がデフォルト。同社はすでに販売していた海外旅行ツアーの航空券が発券出来なくなり、東京都渋谷区の青山ファーストビル6階にある本社事務所には「臨時休業」の貼り紙を行ったが、3月24日早朝から事態を聞きつけた報道陣や債権者、そして予約客、その他関係者などが数多く押し掛けた。この事態を受け観光庁は3月26日、旅行業法に基づき同社本社の立ち入り検査に入っていた。同社と10年来の取り引きがあった某海外旅行会社は「昨年10月までの締め分は今年2月中旬に払い込みされたが、11月締め分が2月末になって『支払いが遅れる』との連絡があった。現在も約1億円超が未回収となっている」。なお、同社が加盟する(一社)日本旅行業協会のHPによれば、「当社と旅行業務に関し当社に対してその取引によって生じた債権を有する旅行者への弁済限度額は1億2千万円」としており、今後社会問題へと発展する可能性も否めない。
業種 | 旅行代理店 |
倒産形態 | 破産手続開始決定 |
所在地 | 東京都渋谷区渋谷2-1-1 青山ファーストビル6階 |
設立 | 平成10年12月 |
創業 | 平成10年12月 |
従業員 | 130名 |
代表者 | 山田 千賀子 |
資本金 | 6,000万円 |
年商 | 195億9,600万円内外(28/9) |
負債総額 | 151億円内外 |