2015年9月15日 公開
協和産業(株)|大阪府吹田市
【業種】 工業用化学製品卸
【倒産形態】 破産手続開始申立準備
【負債総額】 35億円内外
特別情報大阪版「売上急伸と高額手形の裏側には?」(H27.7.1)、大阪支社月例情報会他で既報の当社は、9月14日付で事業を停止し、事後処理を小寺 史郎弁護士他2名(フェニックス法律事務所、大阪市北区中之島2-2-2 大阪中之島ビル4階、TEL 06-4706-1550)に一任、破産手続開始申立の準備に入った。
昭和21年12月に法人化した業歴60年を超える京都発祥の老舗の工業薬品卸問屋。その後は当初の繊維製品分野のみならず、電子材料や製紙など各分野の薬品を取り扱うなど安定した経営基盤を有していた。更に業容拡大とともに、平成7年には京都より現所在地に本社を移転し、出先としても東京を中心とした関東圏と京阪神の主要エリアに有していた。
業績面についても、ここ数年は40億円台で売上高は推移し、最低限の利益計上が続いていたが、平成25年9月期には同業他社との競合もあり受注採算は悪化、売上総利益率の低下もあり営業・経常赤字を余儀なくされるなど、やや事業の不安定さを露呈することとなっていた。
この当時、9月7日付で事業停止となった(株)イッコーズ(東京都大田区)より、半導体保護の特殊フィルムの取引を持ちかけられ、5%上乗せで販売先も当初より決まっていたことから当該商材の取引の輪に参加。当初4,500万円内外の取引額からスタートした当該取引により、平成26年9月期には年商が56億円内外にまで伸長し増収増益となるなど、表向きは順調な経営ぶりがうかがえていた。
更に、当該取引は倍々ゲームのごとく膨らみ、6月の時点では20億円近くまで拡大、当該フィルムの取引関係にあった業者の中には、急拡大の売り上げに資金繰りがついていかず、一部市中金融筋での資金調達に走る業者も出始めた。同時に当社が振り出した数カ月分の多額の手形が市中金融筋で散見され、当初は資金化出来ていたようであるが、次第に資金化を敬遠される事態となるなど、当社取引先の資金繰りは急速に悪化し、当社自身も数カ月前より警戒感を持つなど、取引を抑制する動きを見せていた。
しかし、時既に遅く9月7日以降、取引に関係していた上述の企業を含め、関連業者の事業停止や決済不調が相次いだことで、当社自身の資金繰りも一気に多忙化。何とか事業継続の道を探ろうと、市中金融筋での受取手形の資金化に奔走し一部決済資金に充当、更には有価証券や担保設定のなかった本社や配送センターの不動産売却も模索したが、次回決済以降の資金運営のメドが立たず、万策尽きたことから今回の事態となった。
業種 | 工業用化学製品卸 |
倒産形態 | 破産手続開始申立準備 |
所在地 | 大阪府吹田市垂水町3-27-19 |
設立 | 昭和21年12月 |
従業員 | 36名 |
代表者 | 藤原 隆 |
資本金 | 2,400万円 |
年商 | 56億3,600万円内外(26/9) |
負債総額 | 35億円内外 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2015年07月01日
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