2015年6月10日 公開
(株)榎並工務店|大阪市浪速区
【業種】 建築工事
【倒産形態】 弁護士一任
【負債総額】 41億8,200万円内外(26/3)
特別情報大阪版「思わぬ出来事!」(H23.11.30)、「中堅企業に纏わる話(3)」(H24.5.30)、「中堅企業に纏わる話(10)」(H25.4.24)、「中堅企業に纏わる手形(29)」(H26.1.15)、「関西中堅建設業者の苦悩」(H26.7.23)、「再び注目」(H26.11.19)、「月末注目」(H27.4.24)や大阪月例情報会及び定例情報会(H23.8、H24.2、H24.7、H25.4、H26.2、H27.2、H27.5)他、US情報大阪版などで既報し、更に今年に入っても3、4月と連続して支払いジャンプが見られていた当社は、6月10日付(6月9日夕方以降取引先へ通知)の弁護士受任通知文書(中身(抜粋)「資金繰りが立ち行かなくなり、不本意ではあるが、今後は大阪地裁に対して自己破産等の申立てをするべく準備をしている」)を送付し、事業を停止した。受任弁護士は浜口 卯一弁護士(田口・新原・浜口共同法律事務所、大阪市北区西天満4-4-18 梅ヶ枝中央ビル、TEL 06-6363-3931)。負債総額などは弁護士不在のため現時点で判明しないが、平成26年3月期時点で41億8,200万円内外。
昭和2年5月に創業、昭和37年10月法人化した業歴80年を超える関西でも屈指の老舗建設会社。官民バランスの良い受注基盤に加え、在阪上場エネルギー会社の認定工事業者で、エリア制もあって安定した受注を確保するなど営業基盤を確立していた。また、過去より支払い面に関する情報歴はあるものの、抜群の実績と知名度を武器に、先代からのさまざまな”力”も背景としてこれまで何とか乗り切ってきた。
しかし、平成20年の(株)ゼファーへの3億円強に上る焦げ付き発生に伴う、同社割引手形買い戻し話が浮上した辺りから資金運営面に狂いが生じ始め、その後も弊社が把握しているだけでも平成26年までに7度、支払い面の変調が確認され、特別情報でもその都度警告してきた。
そのような厳しい資金運営を、親族所有の大阪市住吉区内の1,000平方メートルを超える不動産などの入担によりしのぐ場面が折に触れて見られていたが、平成26年6月に売却するなど資金調達の後ろ盾も失い始めていた。
その後も肝心の受注面については、官庁関連を含め積極的な受注が見られ、その出来高による回収資金を中心とした資金運営だったが、積極的な受注が逆に裏目となり、3月、4月10日の現金支払い分をジャンプする事態に発展、複数の進行中の現場に携わる債権者を120社内外(200名内外)、御堂筋ホールに集め、代表より今後の支払い面を含めた現状説明をする場面も見受けられていた。
だが、主力取引先を含め、その後の取引に関しての条件変更(手形→現金)を申し出る先も水面下で出始めるとともに、上述の平成26年6月、総合地所に売却した不動産でマンション建築を請け負ったものの(現在建築途中)、物件様式(仕様)により景観を損ねるなどを理由として、近隣住民から工事差止訴訟を提起されるなど弱り目にたたり目の状況に陥るとともに、絶大なる力を有していた故・実父の甥(代表のいとこ)より、”株主権確認”訴訟を提起され、身内とのトラブルも表面化するなどさまざまな厳しい要因が増幅、何とか事業継続の道を探ろうとしたが、6月10日の決済資金のメドが立たず、今回の事態となり市場から去ることとなった。
業種 | 建築工事 |
倒産形態 | 弁護士一任 |
所在地 | 大阪市浪速区浪速東1-2-26 |
設立 | 昭和37年10月 |
創業 | 昭和2年5月 |
従業員 | 84名 |
代表者 | 榎並 靖博 |
資本金 | 4億5,000万円 |
年商 | 70億3,800万円内外(26/3) |
負債総額 | 41億8,200万円内外(26/3) |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2015年04月24日
2014年11月19日
2014年07月23日
特別情報とは
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