2014年5月30日 公開
(株)白元|東京都台東区
【業種】 生活・衛生用品製造
【倒産形態】 民事再生手続開始申立
【負債総額】 255億円内外
特別情報東京版(H25.10.3、H26.1.20、H26.3.18)、「ジャッジメント」(H26.5.29)、新春情報会(H26.2)、月例情報会他で既報の当社は5月29日、東京地裁へ民事再生手続開始を申し立て、同日保全命令を受けた。申立代理人は南 賢一弁護士(西村あさひ法律事務所、東京都港区赤坂1-12-32 アーク森ビル、再生対策室 TEL 03-3835-7563)他14名。監督委員には腰塚 和男弁護士(東京都千代田区神田須田町1-13-8 加納ビル4階、TEL 03-3254-6788)が選任された。負債総額は申立時点で255億円内外となっている。大正12年1月に防虫剤・防腐剤の製造販売を目的に個人創業し、昭和25年1月に法人化した。昭和47年に「ソックタッチ」を発売したのを機に(株)鎌田商会から現商号に変更している。株式の上場を目指していた当社は、平成18年3月期において過去のうみ出しをするため、問屋や子会社への押し込み販売を中止したことから売上高は前期比70億円減の172億円内外となり、最終は68億円内外の赤字となった。結局、この時の上場話は見送られたが、平成23年9月に監査法人が任期途中で辞任するなど、当社の決算には常に疑問符が付けられていた。平成25年3月期決算は震災特需の反動から売上高は前期比3.2%減の304億円内外にとどまり、殺虫剤分野の事業整理などから3億6,900万円内外の赤字と、7期ぶりの赤字決算となった。これを受け、平成25年5月に住友化学(株)を引受先とする19億円余りの第三者割当増資を実施し、同社が19.5%を保有する筆頭株主になった。19億円もの資本注入と信用補完があったにも関わらず資金繰りは一向に改善せず、1月には「使い捨てカイロ事業」を大手医薬品製造販売の興和(株)(名古屋市中区)に譲渡している。ただし、譲渡は販売部門だけにとどまり、製造部門は新設した当社と興和(株)の合弁会社が担うという中途半端なものであったため、当座の資金捻出(ねんしゅつ)が目的と見られていた。実際、事業譲渡の交渉が当初の予定よりも長引いたため、平成25年8月9日付で興和(株)が債権譲渡登記と動産譲渡登記を設定することにより、当社は譲渡代金の一部を前借りすることとなった。しかし、それでも当社の資金繰りは改善せず、3月13日に取引金融機関を集めて緊急バンクミーティングを開催し、3月末から6月末までの借入金の返済猶予と、主力行に対しては3月中の新規融資による支援を求めた。平成18年3月期に断ち切ったはずの押し込み販売からいまだ足を洗えず、これを解消するために平成26年3月期は62億円内外もの最終赤字になり、自己資本はほぼゼロになることが判明した。こうして3月は主力行による追加支援により乗り切り、再生計画の策定は(株)産業再生機構でCOOを務めた冨山 和彦氏が率いる(株)経営共創基盤(東京都千代田区)が当たることとなった。5月中にもデューデリを終わらせて再建案が提示される予定であったが、ずさんな会計処理から難航。また、私的整理成立の前提となるスポンサーについても、候補とされる筆頭株主の住友化学(株)は出資した19億円余りが無になりかねない状況にあって、早々に追加出資の要請を拒否した模様。一方、メーンの横浜銀行は当社に対し、すでに2月17日付で債権譲渡と動産譲渡を設定して保全を済ませていた。信用不安をあおらないためか、登記自体は留保されていたが、5月8日付で動産譲渡、5月9日付で債権譲渡の登記に踏み切り、信用不安が拡大していた。
業種 | 生活・衛生用品製造 |
倒産形態 | 民事再生手続開始申立 |
所在地 | 東京都台東区東上野2-21-14 |
設立 | 昭和25年1月 |
創業 | 大正12年1月 |
従業員 | 419名 |
代表者 | 鎌田 真 |
資本金 | 43億2,473万8,302円 |
年商 | 304億8,600万円内外(25/3) |
負債総額 | 255億円内外 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2014年5月29日
2014年3月18日
2014年1月20日
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