2014年8月28日 公開
(株)オルケス|東京都中央区
【業種】 婦人服卸
【倒産形態】 民事再生手続開始申立
【負債総額】 60億8,100万円内外(26/1期末)
特別情報東京版「ジャッジメント」(H26.7.10)ならびに月例情報会(H26.7.17)で既報の当社は、関連会社の(株)シンガポールファッション(新潟県魚沼市、同代表)と共に8月27日付で東京地裁に民事再生手続開始を申し立てた。申立代理人は川井 一将弁護士(弁護士法人淀屋橋・山上合同、東京都千代田区丸の内2-3-2、TEL 03-6267-1241)他8名。監督委員には辺見 紀男弁護士(成和明哲法律事務所、東京都港区虎ノ門4-3-1、TEL 03-5405-4080)が選任された。負債総額は平成26年1月期末時点で60億8,100万円内外。昭和23年8月創業の婦人服卸業者。シンガポール(株)として設立し、百貨店や量販店を中心に主に50~60代のハイミセス・シニアを対象としたOEM事業の他、自社ブランドの婦人服卸などを手掛け、平成14年7月期の売上高は194億4,500万円内外を計上していた。一方で(株)シンガポールファッションは昭和46年12月に旧シンガポール(株)と伊藤忠商事(株)の共同出資で設立した婦人服ボトム製造・保管などを手掛け、年商5億円内外を計上していた。しかし、グループ多角化経営のもと展開していたゴルフ場経営会社が平成15年に民事再生手続開始を申し立てた他、関連企業に対する貸付金が重荷となっていたことなどから業績が悪化。旧・ニチメン(株)(現・双日(株))をスポンサーとし、金融機関より80億円を超える債務免除を受けるなどして再建を図ってきたものの、長引く個人消費の低迷などの影響から売り上げの回復は鈍く、平成23年1月期(平成17年に決算期変更)の売上高は72億6,400万円内外にまで落ち込み、5期連続の赤字計上を余儀なくされていた。そうした中、事業再生コンサルティングを手掛け物流・生産機能などに強みを持つ(株)MIT Corporate Advisory Services(東京都渋谷区、以下MIT)が平成23年6月に当社の全株式を取得し、双日(株)が持つ当社向け債権を譲り受けたうえで、デット・エクイティ・スワップを実施し財務体質の改善を図った。その後、収益面では黒字転換していたものの、売り上げはジリ貧傾向をたどっていた。このため、10代後半から20代の女性をターゲットにした「LIP SERVICE(リップサービス)」「JURIANOJURRIE(ジュリアーノジュリ)」などの自社ブランドを展開していた(株)クレッジとの経営統合を画策。MITは関連の特定目的会社であるMITパートナーズ2号合同会社を通じて、(株)クレッジの当時の親会社だったアドバンテッジパートナーズ有限責任事業組合の関連ファンドから平成25年3月29日付で同社の全株式を取得した。平成25年7月1日付でシンガポール(株)を存続会社として、(株)クレッジを吸収合併し現商号へと変更。合併効果から平成26年1月期の売上高は108億2,100万円内外を計上していたものの、一方でのれん代の償却負担が重く4,000万円内外の最終赤字となっていた。今春から小売り部門の拡大を目指すべく、随時仕入れ先に対し支払いサイトの変更要請を行い手元資金の増強を図った。こうした中、6月下旬ごろ当社関係者を持ち込み人とした8月末期日の当社振り出しの高額手形が市中金融で割引が否決される事態に。関係筋によれば、当該手形は支払いサイト変更に伴う名あて人の資金繰り事情を考慮して、当初より現金化を目的に振り出したとの見解だが、結果的にその後関係者の警戒感は一層高まることとなった。(株)クレッジ買収などに伴う借入金の利息負担が重い中、取引金融機関に要請していたファイナンスが8月に入り不調に終わり、資金繰りのメドが立たなくなり、今回の措置となった。なお、8月27日付で中務 茂夫副社長が池内氏に代わり新社長に就任した。
業種 | 婦人服卸 |
倒産形態 | 民事再生手続開始申立 |
所在地 | 東京都中央区日本橋本町1-9-4 Daiwa日本橋本町ビル4階 登記上 東京都中央区日本橋本町1-9-4 |
設立 | 昭和28年5月 |
創業 | 昭和23年8月 |
従業員 | 200名 |
代表者 | 中務 茂夫 |
資本金 | 1億円 |
年商 | 108億2,100万円内外(26/1) |
負債総額 | 60億8,100万円内外(26/1期末) |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2014年7月10日
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