2025年2月5日 公開
東証スタンダード上場の靴小売A社~親会社からの増資で上場廃止を回避へ|特別情報
6期連続最終赤字の中、これまで2度にわたって親会社のX社から金融支援を受けてきたが、今期も赤字に終わる見通しで、債務超過を回避するため、3度目の金融支援を受けることとなった。当社の業績が傾き始めたのはコロナ禍前の平成31年2月期からで、同期は20億円の減損処理により14億円の最終赤字となった。コロナ禍が本格化した令和3年2月期は販売不振により127億円の最終赤字になり、同期の第2四半期に継続企業に関する重要事象等が記載された。4年2月期も71億円の最終赤字となり、X社からの50億円の増資で債務超過を回避したが、5年2月期は55億円の最終赤字に対し融資として50億円の支援を受けたため、31億円の債務超過に転落した。この結果、7年2月までの上場廃止の猶予期間入りとなった。6年2月期は50億円の融資枠の更新にとどまり、実質的には追加支援を得られなかった。今期は「成長戦略へ舵」を経営方針に据え、重点項目として①事業構造改革(統一ブランドによる既存店の収益力強化)②MD構造改革(新プライベートブランドの開発スキームの構築)③組織・コスト構造改革(専門店強化のための現場組織の改革)④EC事業の成長と拡大の4つを掲げ、10百万円の最終黒字予想でスタートした。第3四半期(3-11月)は5店舗の出店と13店舗の退店により店舗数は645店舗となり、既存店ベースでは売上高は前年同期比2.1%増となったものの、全店ベースでは同5.1%減と振るわず、EC事業等を含むトータルの売上高は同4.8%減となった。また、販管費を14億円削減したものの最終赤字は7億円となった(前年同期は10億円の赤字)。第3四半期の業績を受け、第4四半期に入っても状況は変わらないとして、通期の業績予想を14億円の最終赤字へと下方修正した。この結果、61億円の債務超過となる見通しだが、2月末にX社を割当先とする65億円の第三者割当増資が行われることから上場廃止は回避されそうである。なお、増資資金の使途は・・・
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