2024年11月6日 公開
東証スタンダード上場の靴小売I社~親会社の支援動向に注目|特別情報
令和7年2月期末までに債務超過を解消できなければ上場廃止となる。経営危機は赤字決算となった平成31年2月期から始まった。コロナ禍の令和3年2月期は127億円もの最終赤字となり、同期の第2四半期から継続企業に関する重要事象等が記載されるようになった。4年2月期も71億円の最終赤字となり、親会社のX社を割当先とする優先株式の第三者割当増資で50億円を調達して債務超過を回避した。5年2月期には手元資金を厚くする目的でX社から50億円の融資枠設定を受けて同額を調達したが55億円の最終赤字となり、31億円の債務超過に陥って上場廃止基準に抵触した。6年2月期は前の期に設定した融資枠50億円の更新のみにとどまったため、債務超過額は47億円へとさらに拡大し、期末の現金及び現金同等物がわずか5億円という危機的状況に陥った。7年2月期は前期に引き続いて4つの重点施策(①事業構造改革、②MD構造改革、③組織・コスト構造改革、④EC事業の成長と拡大)を掲げている。①については近年、店舗名のブランドへの統一化を図っており、不採算店舗の整理を加速化させている。②についてはスポーツ&キッズシューズへのシフトと商品の絞り込みなどにより販売不振品に対する値下げ販売の減少につながり、③については役割・人員配置の見直しで販管費が急速に圧縮している。④については自社アプリのリニューアルで会員数の増加につながっているなど、目に見える効果を上げていることを強調する。7年2月期は中間期を終えて1億59百万円の最終赤字となり、借入金もX社からの50億円を含め192億円になるが、現金及び現金同等物はわずか4億円という状況だ。通期の業績は10百万円の最終黒字を予想しているものの当中間期で49億円になった債務超過を自力で解消することは不可能で、どうしてもX社からの支援が必要になる。10月9日にリリースされた「上場維持基準(純資産基準)の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」の中で・・・
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