2024年6月12日 公開
東証グロース上場の電解銅箔メーカーI社~借入金返済困難でGC疑義注記|特別情報
2期連続で多額の赤字を計上し、財務制限条項に抵触したことから令和6年3月期の決算短信に継続企業の前提に関する重要事象等を記載したが、その後、借入金の返済が困難な状況にあるとして疑義注記に訂正している。EV車向けの電池用銅箔やスマートフォン端末・携帯基地局などで使われる回路基板用銅箔の製造を手がけ、近年はEV車の普及で業績を伸ばしてきた結果、令和3年6月に東証マザーズへ上場した(現東証グロース)。この間、2年3月に北米の製造販売拠点として米国法人を買収し、翌年12月に総額150億円を投じて工場を新設すると発表、後に将来の需要増を見込んで203億円へと増額した。新工場は5年5月に一部竣工したが、翌月落雷による電気設備の不具合に見舞われ、完全復旧するのに6カ月を要した。6年3月期はこれら不具合による工場の稼働停止のほか、米国インフレ抑制法による需要の低迷から減収を余儀なくされ、2期連続赤字となった。こうしてシンジケートローンの財務制限条項に抵触したが、5月15日に発表した決算短信では、取引金融機関と期限の利益の喪失の権利行使をしないことを合意していることから、重要事象等の記載にとどめていた。ところが、23日になると手元資金に比べて短期借入金及び1年内返済予定の長期借入金の水準が高いことから、借入金の返済が困難な状況にあるとして倒産リスクがより高い疑義注記に変更した。会計監査人の指摘によるものとみて間違いない。6年3月期末で短期借入金は67億円で、1年内返済予定の長期借入金18億円と合わせると85億円になるが、現金及び現金同等物は33億円にとどまる。なお・・・
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