2022年6月27日 公開
マレリホールディングス(株)|さいたま市北区
【業種】 自動車部品製造
【倒産形態】 民事再生手続開始申立(簡易再生手続)
【負債総額】 1兆1,330億円内外
特別情報東京版(R3.2.8、R4.2.22)、東京本部情報会(R3.8.26、R3.9.7、R3.12.16、R4.1.14、R4.2.8)で既報のマレリ(株)(法人番号:8030001014831、同所、自動車部品製造)の持株会社の同社は6月24日、民事再生法に基づく簡易再生手続を東京地裁に申し立てた。簡易再生手続(民事再生法211条以下)とは、私的整理の一種である事業再生ADR手続で、再生計画案に債権者全員の合意が得られない場合、金額ベースで債権者の5分の3以上の合意があれば裁判所が債権の調査・確定手続きを省いて再生計画の開始決定を可能とするもの。申立代理人は藤原 総一郎弁護士(森・濱田松本法律事務所、東京都千代田区丸の内2-6-1 パークビルディング受付16階、TEL 03-5220-1800)。負債総額は債権者26名に対し1兆1,330億円内外。
今年3月に事業再生ADR手続を申し立てていたが、一部の金融機関から同意を得ることが困難となって法的整理による事業再生を目指すこととなった。事業再生ADRは同社の他、マレリ(株)など子会社4社が申し立てていたが、民事再生手続開始は同社のみが申し立てた。金融機関のみを対象として、マレリグループの国内外の事業子会社や取引先に影響はないとしている。
平成29年3月に日産自動車(株)(法人番号:9020001031109、東証プライム上場)の連結子会社であった元東証1部上場のカルソニックカンセイ(株)(令和元年10月マレリ(株)に変更)を米投資ファンド、コールバーグ・クラビス・ロバーツ(以下KKR)の傘下である同社が買収。その後もイタリアの大手自動車部品メーカーのマニエッティ・マレリと経営統合し、事業規模を拡大してきた。
しかし、新型コロナウイルスによる半導体不足で自動車メーカーの生産台数が落ち込んで経営不振となり、1兆円を超える金融負債が重荷となっていた。子会社のマレリ(株)では大手自動車メーカーへの在庫の買い取りや受注の確約、海外工場の撤退に伴う費用負担を要請したとされるなど、経営悪化が表面化していた。
こうした中、同グループは経営再建計画における資本再構築として金融機関からの債権放棄4,208億円、DES(デットエクイティスワップ)248億円およびリスケジュールなどを受けたうえで現株主のKKRをスポンサーとして831億円(6億5,000万米ドル相当)の出資を受けるという計画を提示。事業再生ADRの成立を目指して各金融機関へ同意を求めていた。
しかし、6月24日開催の債権者会議では中国資本の一部の金融機関が再建計画に反対の意向を示したもようで、全債権者からの同意が必要となるADRの成立が困難となった。これを受けて同社は簡易再生手続への移行を決断し、今回の事態となった。
負債1兆円超えの法的整理は平成29年6月に民事再生手続開始を申し立てたエアバッグメーカーで元東証1部上場のTKJP(株)(旧商号・タカタ(株)、法人番号:5010401052766、東京都港区、平成29年6月26日付本情報号外で既報)以来で、新型コロナ関連の破綻でも過去最大となる。
業種 | 自動車部品製造 |
倒産形態 | 民事再生手続開始申立(簡易再生手続) |
所在地 | さいたま市北区日進町2-1917 |
設立 | 平成28年10月 |
代表者 | デイヴィッド・ジョン・スランプ、他1名 |
資本金 | 1億円 |
年商 | 118億2,500万円内外 |
負債総額 | 1兆1,330億円内外 |
特別情報掲載
特別情報本文に掲載された日付です。
2022年2月22日
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